出張DASH村

山形県米沢市 小野川町

米沢市は山形県の最南端に位置し、気候は、夏が高温多湿で、年間降水量は全国平均と比較してやや少ない。また、冬は寒さが厳しく、特別豪雪地帯に指定されており、年間累計積雪深は10mに達することがある。

※特別豪雪地帯
積雪の度が特に高く、かつ、積雪により長期間自動車の交通が途絶する等により住民の生活に著しい支障が生じる地域。

お世話になった方

鈴木藤昇さん

小野川生まれの小野川育ち。両親も実際に豆もやしを栽培していたため、もやしの栽培に興味をもっていた。
数年前、豆もやしを栽培している農家が非常に少なくなったことから、小野川町の伝統野菜を途絶えさせてはいけないと強く想い、6年前に仲間と一緒に栽培を始めた。
現在豆もやしを栽培しているのは藤昇さん達もやし研究会数名と、後一軒を残すのみ。

小野川温泉 旅館 女将会

佐藤 梨絵さん
亀屋万年閣 女将
奥山 千果さん
高砂屋 女将
鈴木 祥子さん
やな川屋 女将

小野川豆もやし

小野川町で約300年ほど前から作られていたと言われる伝統野菜。
栽培は11月から3月までの冬期間だけ。小野川温泉を利用して栽培される。
シャキシャキとした歯ざわりと濃厚な豆の味が最大の特徴で、冬に作物を栽培する事が出来なかった小野川の人々にとって、豆もやしは貴重な食料源だった。

豊富な繊維質

一般的な緑豆もやしに比べ、大豆もやしは繊維質が多いため、いくら火を通してもシャキシャキ感が損なわれない。
30センチになってもピンとまっすぐに育つのも、この繊維質のおかげ。

小野川温泉

泉質「含硫黄ナトリウム カルシウム塩化物泉含ラジウム」
美肌効果が高い「硫黄泉」と、切り傷などの消毒効果と、ぽかぽかと温まり湯冷めしにくい「塩化物泉」の特徴を併せ持つ温泉。
かつて世界三大美女と呼ばれた小野小町が、病で倒れた際に偶然発見し、温泉につかったところ、病が癒え、絶世の美女に生まれ変わったという伝説が伝わる。
他にも、戦国時代に活躍した伊達政宗や、江戸時代に名君と言われた米沢藩主、上杉鷹山なども愛した温泉とされている。

豆もやし小屋

小野川の温泉が通る水路の上に建てられている。
温泉のすぐ上に置いた室(木箱)で栽培することで、温泉の蒸気によって温められ、温度、湿度共に、もやしの生長にとって最適な環境になるよう作られている。
また、下から染み出す温泉の成分も吸い上げるため、温泉のミネラルも豊富に含むことができる。

小野川豆もやしが出来るまで

1.室に砂を入れる

小屋の外から砂を運び、室の中に敷き詰める。
この際、砂の高さも均等に合わせる。

2.豆を蒔く

砂の上に、一晩温泉に浸けておいた豆を蒔く。
砂が見えなくなるぐらい蒔くのがポイント。

3.豆の高さを均一にする

豆の上から木の板を押し当てて、豆の高さを揃える。
こうする事で、豆が上方向に伸びやすくなる。

4.豆に砂を被せる

ふるいを使って、豆が隠れるぐらい薄く砂を被せる。

5.温度管理

室内の温度を30℃に保つよう気をつけながら。
時々フタを開けるなどして温度管理を行う。

6.収穫(1週間後)

豆が砂から顔を出し、大きさが30センチほどに生長する。

調理

ババンビ丼

  1. 豆もやしを水から煮る。
    もやしは水から煮る事で、シャキシャキ感が増すと言われている。
  2. 3~4等分に切り、中華ダシ、塩、ニンニク、ごま油で味付けする。
  3. 鶏ひき肉に砂糖、酒、スライスした生姜を入れ、女将味噌を加えて汁気がなくなるまで煮詰める。
  4. 器にご飯を盛り、キムチやほうれん草などと一緒に味付けした豆もやし、そぼろを盛り付ける。
  5. 中央にくぼみを作り、温泉たまごを入れて完成。

豆もやしの春巻き

  1. 豚ひき肉に刻んだネギ、ニンニク、生姜を加え炒める。
  2. オイスターソース、鶏ガラスープのもと、酒、醤油、塩こしょうで味付けする。
  3. スライスした椎茸と春雨、湯がいて火を通した豆もやしを加える。
  4. 水溶き片栗粉でトロみをつけ、あら熱が取れるまで冷ます。
  5. 春巻きの皮に適量を入れて巻き、180℃の油で揚げる。
  6. ふっくらとし、キツネ色になったら完成。

豆もやしのかき揚げ

  1. 生の状態の豆もやしを根っこごと切り、衣をまぶして180℃の油で揚げる。
  2. 1分ほどしたら油から揚げ、塩こしょうを振りかけ完成。

豆もやしとほうれん草のおひたし

  1. 豆もやしを水から煮て火を通し、同じく火を通したほうれん草を一口大に切る。
  2. 擦りおろした生姜、醤油を入れ混ぜ合わせ完成。

豆もやしと米沢牛のすき焼き

  1. 米沢市が誇る和牛「米沢牛」に豆もやしをたっぷりと入れたすき焼き。
  2. 豆もやしを米沢牛で巻いて食べるのが小野川流。