出張DASH村

群馬県沼田市

沼田市は群馬県の北部に位置し赤城山や武尊山など日本百名山に挙げられる山々に四方を囲まれている。
東西に長く、標高は250メートルから2,000メートル余りに及ぶ地形。

市街地は、利根川とその支流の片品川・薄根川により形成された日本一の河岸段丘上に広がっている。(河川の中や下流域に流路に沿って発達する階段状の地形)
このような地形から、地域における産業や生活面などに様々な特色を生み出しており、「玉原高原」や国指定文化財「吹割の滝」など、スケールの大きい自然環境がある。
豊富な温泉群やリゾート施設などの有数の観光地として知られている。
総面積443.46.平方km、人口約52,000人の自然豊かな地。
農作物は高原野菜のレタスや枝豆、リンゴや桃といったフルーツなども栽培されている。

お世話になった方

長谷川 進さん(65歳)

5年前、自動車などの部品メーカーを定年退職後、本格的にきゅうりづくりの道へ。
味にこだわるあまり11種類もの様々なきゅうりを栽培し、現在のきゅうりにたどり着く。
他にも、リンゴやネギなど数多くの農作物を育てている。

長谷川 久代さん

進さんの奥様。多い日で1日1600本も収穫されるきゅうりの袋詰めを手伝い、進さんを支えている。

鈴木 雪枝さん

久代さんの20年来のママ友。
美味しい料理を研究している。

ブルームきゅうり

一般的なきゅうりと違い、白い粉で覆われているきゅうり。
この白い粉は、ブルームと呼ばれるブドウやリンゴなど果実に多く見られるロウのような物質で、病気などから実を守るために植物自体が出す防衛本能のようなもの。
またブルームが表面にあることで、外に出ようとする水分や旨味をブロックしている。

 

一般的なきゅうりとの違い

市販されているきゅうりのほとんどは、ブルームのないブルームレスきゅうりと呼ばれ、 病気に強いカボチャの根に接木をして育てられる。
その結果、カボチャのように皮が厚くなり、水分が蒸発するのを防いでいる。

自分の根で育つブルームきゅうりは、皮が厚くならない為、身を守るために土の中からケイ素を吸い上げブルームを作り出す。
断面を比ベるとブルームきゅうりの方が皮が薄い。
30年前まではブルームきゅうりが主流だったが、白い粉が後から人間つけたものだと誤解され、ブルームレスきゅうりの普及とともに減っていった。
その結果、現在、市場に出荷されているのは3%ほどしかない。

榛名山が生んだ軽石

水分のバランスが重要なきゅうりは、少しでも水が多いと根腐れし、水が少ないと形が悪くなる。
長谷川さんの畑周辺は、1500年前榛名山が噴火した際の、火山灰や軽石が積もった水はけの良い土地。
特にこの軽石があることで、石と石の間の隙間に余分な水分が流れ、水はけが良くなる。
また、軽石の穴に、程よい水分が保たれることで栽培が難しいブルームきゅうりが元気に育つことができる。

収穫作業

  1. ハサミの長さ(19cm)以上の物を収穫する。
  2. トゲがない、上の部分を持って収穫する。
    トゲが折れると、そこから水分が出てしまい、鮮度が失われてしまう。
    また、ブルームも触るとすぐに落ちてしまうので、気をつけて収穫する。
  3. コンテナに置くときも、トゲ、ブルームに注意して優しく置く。

袋詰め作業

  1. 最初に2本、トゲが折れないように袋に入れる。
  2. 先に入れた2本に重ねるように入れて、テープで縛る。
  3. 袋詰め後のブルームきゅうりは、翌日には都内のスーパーで販売される。
    値段は、一般的なものと比べると、手間がかかっている分、少し高めに販売されている。

調理

きゅうりジュース

切ったきゅうりを100g、牛乳200ml、昆布茶小さじ半分をミキサーに入れ、1分“ガー"したら完成。

きゅうりの一本漬け

材料(きゅうり10本分): 塩 大さじ1、砂糖 大さじ1弱、酢 大さじ1、刻み昆布 大さじ1、鷹の爪 1本

  1. きゅうりを洗う。
  2. 大きめのビニール袋にきゅうりと調味料をすべて入れる。
  3. 空気を抜いて口を縛り、良く揉む。
  4. 3時間漬けたら完成。

きゅうりの酢豚

  1. きゅうりを斜めにざく切りにする。玉ねぎとパプリカを一口大に切る。
  2. 190℃の油で、切った野菜をおよそ20秒素揚げする。
  3. 豚肉は一口大に切り、醤油・酒・コショウで下味をつけ小麦粉をまぶし、きつね色になるまでじっくりと揚げる。
  4. 豚肉、玉ねぎ、パプリカ、きゅうりをフライパンに入れ、砂糖とケチャップを加えて一気に炒める。
  5. 醤油と酒で味を整え、水溶き片栗粉でとろみをつけ、最後にゴマ油を入れて完成。

きゅうりの煮浸し

  1. きゅうりとなすを切れ目を入れながら斜め切りする。
  2. フライパンでごま油をひき、きゅうりとなすを弱火で炒める。
  3. しっかりと火が通ったら、お酒とみりん、カツオだし、砂糖、醤油を入れる。
    さらに、大根おろしとすった生姜を入れ、煮詰める。
  4. 煮詰め終わったらボウルに移し、粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やし味をしみ込ませる。

きゅうりのジャージャー麺

  1. きゅうりを千切りに切る。
  2. ひき肉をパラッパラに炒め、ニンニクと生姜を入れる。
  3. 豆板醤、甜麺醤、そして香り付けに醤油、水溶き片栗粉を入れとろみをつける。
  4. 麺→きゅうり→お肉の順にお皿に盛り付け、最後に白髪ネギと糸唐辛子をのせる。

きゅうりの肉巻き

  1. 4つに切ったきゅうりを半分に切って、豚肉で巻き、巻き終わりを爪楊枝で留める。
  2. 小麦粉をまぶし表面に焦げ目がつくまで焼く。
  3. みりん、砂糖、醤油、を加え、汁けがなくなるまで煮詰めたら、熱いうちに半分と斜め切りにして、盛り付ける。

きゅうりフライ

  1. きゅうりを半分に切って、縦に4等分にする。
  2. 小麦粉→卵→パン粉の順につけ、180℃の油でおよそ3分揚げる。