鳴門市は、徳島県の北東端であり、渦潮で有名な鳴門海峡の西側に位置する市で、本州と四国を結ぶ玄関口となっている。温暖で雨が少なく、冬季は乾燥した晴天の日が多い。
特産品としては、レンコンの他に、鳴門金時や鳴門わかめなどが有名。
江戸時代から続く農家の17代目。小学6年生からの大のTOKIOファン。
大学卒業後、マッサージ師として働いていたが、結婚を機に家業を継ぐことを決意し、6年前からレンコン栽培をしている。
徳島のレンコン
出荷量は、茨城に次ぐ第2位。
出荷先は主に関西圏であることから、関西圏市場での産地別のシェアは全国1位。
栽培されるレンコンは、ほぼ全てが長茎種であり、関東では主流のダルマ系はほとんど栽培されていない。
粘土質の土壌
鳴門市周辺の土は、吉野川の氾濫によってもたらされた肥沃な土壌でできている。
大昔から沢山の氾濫を繰り返し、何年もかけて粒子の細かい土が堆積し、少しずつ粘土質の土壌を形成したとされている。保水性が高く、保肥力も強い。
非常に緻密で硬い粘土質のため、瓦の素材や、鳴門の伝統工芸「大谷焼」などに使われていた歴史を持つ。
吉野川
四国を西から東に流れる一級河川。日本三大暴れ川の一つで、利根川の『坂東太郎』、筑後川『筑紫次郎』と並び、『四国三郎』と呼ばれている。
また、水質がきれいなことも特徴で、国土交通省が行った調査で日本で最もキレイな川の一つにも選ばれた。
食感と味の濃さ
徳島のレンコンは味の濃さと、シャキシャキとした歯ごたえが特徴。
その理由は、重たい粘土の中で、常に強い圧力がかかった状態で育つことで、レンコンは粘土に押しつぶされないよう反発しながら生長するため、引き締まって密度が高く、シャキシャキの食感になる、と言われている。
1.粘土質の土壌
粘土質の土壌は粒子が細かく砂利等がないため、余計な傷がつかず、黒ずんだりしない。
→レンコンの皮は意外と薄く、傷つきやすい。砂のような粒の大きい土壌では、生長の過程で皮が擦れ、黒い斑点が沢山出たり、茶色く変色したりすることがある。
2.葉を倒す
収穫する少し前に葉を倒すことで、レンコンと空気を遮断し、酸化するのを抑えている。
→レンコンが赤くなるのは、葉から茎を通って酸素が送り込まれ、酸素が泥の中のレンコンの
表皮から放出されるときに鉄分と結合し、その酸化鉄の赤さび色が表皮につくため。
明治の初期に長崎に渡来し、岡山県が基点となり、「備中種」と呼ばれて各地に移動し広がった。
現在、徳島県で露地栽培されている主力品種。
他の品種にくらべ、1つ1つの節が大きく細長で、深い位置に伸び、色が白いのが特徴。
ムチンは、糖とたんぱく質が結合することによってできる多糖類で、ヌメリのもととなる成分。
血液中の余分な老廃物(塩分やコレステロールなど)を排出してくれる働きのほか、粘膜を保護したり、たんぱく質の吸収を促進させる働きもある。
緻密で硬い粘土質の土壌なため、関東などで主流の「水掘り」ができない。
そのため、重機などを使い「手掘り」によって収穫する。