出張DASH村

沖縄県島尻郡八重瀬町

那覇空港から南に約20kmのところに位置する町。
八重瀬町は、ピーマンの生産量が沖縄一。特に具志頭で多く作られている。
その他、「ぐしちゃんいも」と名付けられているジャガイモや、マンゴー、オクラなど農業が盛んに行われている。

お世話になった方

諸見謝(しょみじゃ) 慎さん(27歳)

地元一番の若手ホープ。約800坪の畑でピーマン栽培を行っている。
小さい頃から農業に興味があり、18歳のときに後を継ごうとしたが、「一度世の中をみてこい」という父親の言葉により、東京で働くことに。
しかし、1年後の夏に、父親が亡くなったため、急遽沖縄へ戻り、跡を継ぐことに。
ピーマンの他に、オクラやトマトも栽培している。

金城 淳子さん(61歳)

地元の料理自慢。旦那さんはベテランのピーマン農家であり、自身も収穫などを手伝っている。
八重瀬町の頼れるおばあ的存在で、みんなに慕われている。

ピーマン

江戸時代にポルトガル人の手によって日本に入ってきた。
フランス語のpimentが語源になっており、原産地は南米の熱帯地方である。
日本に入ってきた当初は辛さを持っていたが、交配を繰り返していくうちに辛さが消え苦味が増えていった。

第二次世界大戦以降になってから日本の食卓に並ぶようになり、現在では茨城県や宮崎県、高知県産のピーマンが主流となっている。
また、ピーマンは細胞の働きを活性化してくれるビタミンAやCを多く含んでいるため、疲労回復や風邪予防に効果的。

ビッグピーマン

特徴1 大きさは3倍!

サイズは、一般的なピーマンの3倍程。手のひらサイズで、持った時にずっしりくる感覚がある。
大きく育ったピーマンは収穫前に木になっている状態から、自らの重みで落ちてしまうことがあるため、収穫する絶妙なタイミングが大事。

特徴2 肉厚な部分には旨味がたっぷり!

一般的なピーマンとは対照的に、皮の厚さが3ミリほどもある。
その為、肉厚な実には水分が多く含まれており、かじった時にしぶきが飛ぶほど。
水分だけでなく、旨味成分や栄養分も多く含まれる。

特徴3 沖縄特有の土壌「ジャーガル」

沖縄の土壌は、沖縄本島北部を中心とした「国頭マージ」、沖縄本島中南部、宮古島を中心とした「島尻マージ」、そして、沖縄南部を中心とした「ジャーガル」の3つに大きく分けられる。

ジャーガルは一旦水分を含むと水持ちが良いため、しばらくの間粘土質の状態を保っているが、逆に水が抜けると石のように硬くなってしまうため、作物を育てるのは難しい土壌とされている。
しかし、ジャーガルは、海底に堆積した砂や泥が隆起して出来た土であるため、ミネラルや、貝、サンゴの死骸など多く含んでいる、沖縄の中で最も肥沃な土壌と言われている。
そのため、ジャーガルで栽培される作物は、木が元気に育ち、光合成も活発に行うことができる。
ピーマンの苦味は、光合成をすることで甘味のもとアミノ酸に変わり、苦味成分がほとんど無い状態になる。
「ジャーガル」という名前は沖縄県中部に位置する謝苅(じゃーがる)地区の地層から発見され、硬くゴツゴツしていたことから名付けられたと言われている。

 

特徴4 沖縄ならではの工夫「トラッシュ」

また、諸見謝さんは、土壌作りの際、硬いジャーガルに、サトウキビの枯葉などからなるトラッシュをすき込んでいる。
これによって、土の中にいる微生物の活動を活発化させ、団粒構造を作る。
その結果、硬いジャーガルに隙間が生まれ、根が張りやすくなり、ジャーガルの栄養分をより多く吸収することに繋がっている。

収穫作業

収穫する際には親指を軸に当てて折る。残った部分はハサミでカットする二度切りの方法。
ピーマンは、大きさや色だけでなく、固さが重要である。
より固いものが完熟に近く、また軸が太いものが甘いと言われている。

 

赤ピーマン

収穫に適した時期を過ぎると緑から赤に色が変わっていく。
ピーマンの花が咲いてから、約20日が収穫どきなのに対して、赤い実は約50日ほど経ってしまった完熟。しかし、ビタミンCは、緑ピーマンの約2倍になるなど、甘みも栄養素も増える。
しかし、日持ちしないため、出荷されることはほとんど無い。

選別作業

運ばれてきたピーマンは、一番初めに手作業で出荷できるものと、出来ないものに分ける。
赤く変色したものや傷ものを取り除く。
その後、2011年に導入された最新機器によって、10秒間に30個のピーマンの表面積を測る。
表面積の大きさにより9段階に分けられ、出荷用ダンボール箱に。

調理

アグー豚とピーマンチャンプルー

  1. 赤ピーマン1個と緑ピーマン4個を縦に細切り、アグー豚は一口サイズに切る。
  2. フライパンにゴマ油をひき、ニンニク・生姜を先に炒めた後、アグー豚を炒める。
  3. 1で切ったピーマンを入れ、素早く炒めた後、オイスターソース・醤油・酒・本だし・水溶き片栗粉・ごま油・を加えてさらに炒めたら完成。

達也特製!肉詰めピーマン

  1. ひき肉に玉ねぎのみじん切り・卵・塩・コショウを加えて混ぜる。
  2. ヘタを切ったピーマン(種とワタはとる)の内側に片栗粉を塗り、1を入れる。
  3. 2を3等分に輪切りにし、片面に片栗粉をつける。
  4. 3をフライパンに置き、蓋をして中火で焼く。
  5. お皿に盛り付け、特製甘辛ダレをかけたら完成。

ピーメンでジャージャー麺

  1. ピーメンを茹でた後、氷水の入ったザルでしめる。
  2. 緑ピーマンと赤ピーマンは大きめの角切りに切る。
  3. ひき肉を先に炒めたら、生姜・ニンニク・2で切ったピーマンを入れ、一緒に炒める。
  4. 豆板醤・砂糖・甜麺醤・鶏ガラスープ・水溶き片栗粉を入れてさっと炒める。
  5. 麺の上に4をかけたら、完成。

ピーマンとポークの天ぷら

  1. ピーマンを4等分にし、ポークをピーマンに入る大きさに切る。
  2. 1のピーマンにコショウふった後、小麦粉をつけ、ピーマンにポークを入れる。
  3. 2に水に溶かした天ぷら粉をつけ、180度の油で揚げる。
  4. 衣がいい色になってきたら、バットに移し、お皿に盛り付けて完成。

ピーマンの素揚げ浸し

  1. 洗ったピーマンの水気を切り、半分に切る。
  2. 180度の油で約2分揚げる。
  3. 油を切ったピーマンを皿に盛りつけ、めんつゆと鰹節をたっぷりかけたら完成。