出張DASH村

兵庫県淡路島

  • 兵庫県に属する島で、淡路市、洲本市、南あわじ市で形成されている。
  • 人口は約13万人、面積は592.6平方キロメートルで、日本本土の4島(北海道、本州、四国、九州)を除けば、国内で7番目の大きさである。
  • 兵庫県のタマネギ生産量は全国第3位で、そのうちの95%以上が淡路島産である。
  • 年間の平均気温は約16℃と、1年を通して温暖で、野菜の栽培に適した気候である。

兵庫県淡路市

  • 淡路島全体の面積の約3割を占めている地域で、農業の他に「淡路ビーフ」、「淡路どり」など、酪農も盛んな街。
  • 1998年に開通した淡路市と神戸市を結ぶ「明石海峡大橋」は、吊り橋としては世界最長の全長3911m。

お世話になった方

黒田美福(みふく)さん

  • 生まれも育ちも淡路島の美福さんは、高校卒業後、淡路島内のホテルに就職。
    結婚、出産を経験し、30歳の時、「子どもたちが学校から帰った時に家にいてあげたい、新鮮で美味しいものを食べさせたい」と3人の子どもたちのことを考え、農業の道へ。
  • 初めは大工だった父と協力しながら、8年の研修期間を経て、5年前自身の農園を立ち上げた。
    旧姓である"才田"を残したいという気持ちから「才田農園」と命名。
  • 約3000坪の畑で、レタス栽培をしている。
  • 栽培が難しいとされるレタスをあえて選んだ理由は、美福さんが難しいことほど燃えるタイプだったから。

上林道世さん

美福さんの姉。近所に住んでいて、美福さんが農業を始めた頃からサポートしている。

黒田美咲さん

美福さんの長女。地元の高校に通っていて、4月からは県内の大学に進学予定。忙しい美福さんに代わり黒田家の夕飯を作ることもあり、料理が得意。

レタス

  • 歴史は古く、紀元前5世紀頃には古代ペルシャで王の食卓に出されていたと伝えられている。(伝来)
  • 日本には中国から伝えられ、1960年あたりから普及し始めた。出荷時期により春レタス、夏秋レタス、冬レタスに区分され、全国各地で通年して栽培と収穫ができる。
  • レタスの約95%は水分でできており、免疫力を活性化させるカロテン、美容効果のあるビタミンC、血液の循環を良くするビタミンE、高血圧を防ぐ作用があるカリウムが含まれている。

乳液

  • レタスの切り口からは白い乳液が出る。これには苦味成分を持つサポニンの一種などが含まれ、食欲増進や、肝臓、腎臓機能を高める働きがある。
  • 部位的には芯に多く含まれるため、レタスは芯に近いほど苦味を感じる。
  • レタスの学名は「Lactuca sativa」。「lac」とは乳という意味、また和名では「乳草(ちさ)」であり、乳液が名前の由来になっている。

淡路島で作る美福さんのレタス

肉厚が特徴

  • 冬場のレタスは、凍ってしまわぬよう、トンネルで栽培される。日中は、温度が上がり過ぎてしまい、病気や傷みの原因になってしまうため、レタスにとってより最適な温度の20度前後に調整する必要がある。美福さんは、天候やレタスの状態を見て、トンネルの開け閉めの具合を見極めている。
  • 長野など、夏場に涼しい地域で作られるレタスと違い、温暖な淡路島レタスの旬は冬。
    レタスが生長するギリギリの気温であるため、夏場のレタスが約50日で生長するのに対し、淡路島のレタスは、その2倍の約100日でゆっくりと生長する。その分養分や水分などをたくさん溜め込むため肉厚になると考えられる。

漢方肥料

  • 大黄、葛根、甘草など12種類の漢方生薬を発酵、熟成させた液状の活性剤を収穫までに2~3回、葉に散布することによって、根の張りが良くなり、養分や水分をたっぷり吸い上げるようになる。また、レタスの細胞を活性化することで光合成を促進。
    肉厚さとシャキシャキ感が増すとも言われている。
  • 定植前にはペレットタイプの漢方肥料を混ぜ込み、効き目を持続させている。
  • 子ども達が口にする野菜なので、畑に与えるものは、安心、安全なものだけを使うよう心がけている。

収穫

  • 先端も刃になっている専用の収穫包丁を使う。これをレタスの根元に差し込むだけで、簡単に収穫できる。
  • レタスの他に、キャベツや白菜などの葉もの野菜の収穫包丁は、このタイプが主流。

出荷

  • 獲れたては水分が多く、傷つきやすいため、一晩寝かしてから包装する。
    1.芯の切り口を切って整え、タオルで拭く。
    ※乳液が酸化して赤くなり、見た目が悪くなるのを防ぐため。
    2.「レタパック」という、専用の機械で、フィルム包装される。
    ※レタスは水分が多く、傷みやすいため、ラップと比べて密着が少なく、水分が透過しやすい「ポリプロピレン」製のパリパリのフィルムを使う。
  • 美福さんのレタスは、神戸市や関東のスーパー、直売所で販売される。

調理

ロールレタス

材料(5個)
レタスの外の葉 15枚程度、卵 1個、合挽き肉 200g、ナツメグ 大さじ1 、淡路島産タマネギ 1/2個、塩コショウ 少々、オリーブオイル 適量、牛乳 500cc、パン粉 1/2カップ、人参(飾り用) 1/2本、粗挽きコショウ 少々

ホワイトソース材料
小麦粉 50g、バター 50g、生クリーム 1カップ、顆粒コンソメ 小さじ2

  1. レタスの葉を芯からさっと湯通しして、氷入りの冷水にさらし、水気をとっておく。
  2. ボウルに、炒めた玉ねぎ、挽肉、卵、パン粉を入れよくこねて、さらに塩胡椒、ナツメグを入れ、混ぜる。
  3. レタスの葉でタネを巻き、3回繰り返し3重にする
  4. コンソメを溶かした湯にロールレタスを入れ、おとし蓋代わりにレタスの外葉をかぶせ、中火で20分ほど煮ていく。
  5. 煮ている間にホワイトソースを作る。フライパンにバターを溶かし、小麦粉を入れて弱火で焦がさないように加熱し、牛乳を加えながら、泡立て器を使って混ぜる。
  6. 滑らかになったら塩胡椒、コンソメで味を整え、最後に生クリームを入れる。
    ロールレタスの鍋にホワイトソースを加え、一煮立ちさせる。
    粗挽き胡椒と、飾り人参を添えて完成。

レタスタコ飯

材料(3合分)
レタス 半玉くらい、米 3合、生のタコ 400g、生姜 1欠片、人参 1/8本、油揚げ 1枚、醤油 小さじ2、みりん 小さじ2、酒 小さじ2、だしの素 小さじ1、砂糖 小さじ1、塩 小さじ1

  1. 生の明石産のマダコをぶつ切りにする。
  2. 土鍋に、研いだ3合の米、醤油、みりん、酒、だしの素、砂糖、塩、水を入れ、タコ、刻んだ人参、油揚げ、生姜を入れ、強火にかけ沸騰するまで待つ。
  3. 沸騰したら、弱火にして約15分。水分がなくなったら、火を消し蒸らす。
  4. ちぎったレタスを入れ混ぜて、完成。

明石鯛のレタス巻きフライ

材料(5人分)
レタス 10枚程度、サラダ油 適量、鯛の切り身 300g、ポン酢 適量、塩コショウ 少々、ゆず 適量、強力粉 適量、パン粉 適量、卵 適量

  1. 鯛の身を切り、塩コショウをふる。
  2. 湯通しして、冷水にさらし水気を切ったレタスで、切り身2枚ずつを巻く。
  3. 強力粉→卵→パン粉の順に衣をつけ、180度の油でキツネ色に揚がったら完成。
  4. ゆずをしぼったポン酢をつけて食べる。