出張DASH村

愛知県田原市(あいちけんたはらし)

  • 愛知県南端の渥美半島に位置し、東側を陸続きに豊橋市と接している。
  • 人口は約63000人で、農業従事者は市の労働人口の3割を占めている
  • 吉胡(よしご)貝塚など数多くの縄文遺跡が点在しており、昔から人々の生活が営まれてきた。
  • 太平洋・三河湾といった特性の異なる二つの海に面しているなどの地理的な条件から、多種多様な動植物が見られる。
  • 太平洋を流れる黒潮の影響で、年間を通じて温暖な気候となっているが、海に突き出た半島特有の地形のため、大変風が強く、海沿いには風力発電のプロペラが約50基設置されている。

農業産出額日本一

  • 生産者(畜産などを含めて全て)の売り上げの合計が820億4000万円と、全国市町村の中で第1位を誇っている。
  • キャベツ・ブロッコリーなどの野菜、電照菊・ガーベラなどの花き、肉用牛・豚などを中心に、収益性の高い農業が営まれている。
  • ブロッコリーの生産量は、田原市が日本一である。(豊橋田原広域農業推進会議HPより)

天候

  • 田原市周辺の日照時間は、全国の市町村の中で第3位(豊橋)と第6位(伊良湖)に入る程の長さ。
  • 秋に入る10月頃から翌年の3月まで北西・西北西の季節風が急激に吹き、湿度が65%くらいに低下するため、乾燥状態となる。

お世話になった方

加藤由貴夫(ゆきお)さん(63歳)

  • ブロッコリー栽培歴33年。
  • 高校卒業後、鉄道会社に就職。その後、20代の頃地元・東愛知新聞の記者に。
    新人時代はサツ回りと呼ばれる警察記者クラブを担当していた。
  • 30歳の時、両親の手伝いをしたのがきっかけでブロッコリーを作り始めた。
  • 現在は新聞記者だった経験を生かし、地元ブロッコリーのチラシを作ったり、写真をインスタグラムにアップしている。

加藤見佐子(みさこ)さん(63歳)

由貴夫さんが新聞記者の時に出会い、結婚。その後ブロッコリー作りに加わり、今では夫婦で約50トンのブロッコリーを栽培している。

ブロッコリー

  • 地中海沿岸が原産で、11月から3月までが旬の野菜。
  • 生育適温は15~20℃。
  • 日本に入ってきたのは明治時代である。しかし、当時はほとんど見向きもされず、実際に食用として広く普及したのは第二次世界大戦の後。本格的な栽培は1980年代頃に始まった。
  • 美味しくて栄養価が高いことと、生食でサラダを食べる料理法の変化などにより、ここ40年程で急速に普及、国内のブロッコリー消費量は約17倍に上がった。
  • ビタミンCがレモンの約2倍、食物繊維がキャベツの約2.4倍含まれている。
    またこの他にも、抗酸化作用が期待できるファイトケミカルや、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンK、葉酸などが含まれており、栄養が満点で、野菜の王様とも呼ばれている。
  • 「花蕾(からい)」と呼ばれるツボミが1株に3万~4万個程ついていて、収穫せずに残していると、1ヶ月程で花が咲く。
  • 冷凍ブロッコリーも含め日本人は、1年間に1人当たり約1.4㎏以上のブロッコリーを
    食べている。ちなみに、アメリカ人は1年間に1人当たり約3.9㎏以上、イギリス人が約4㎏以上を消費しており、海外でのブロッコリー人気は高い。

  • ブロッコリーは茎にも栄養が多く詰まっていて、特にカリウム、カルシウム、糖分は
    花蕾よりも多く含まれている。
  • アメリカでは、栄養価の高さから、茎だけを細切りにした野菜のミックスが販売されている。さらに最近では、糖質を抑えたい人にブロッコリーの茎をご飯代わりにしたライスブロッコリーもある。白ごはん120gと比べて、ライスブロッコリーの糖質は約1/63程。

赤土の粘土

  • 水はけは良くないが、保肥力が高い。
  • 普通の土や砂に比べて1粒1粒が細かい。粒が大きいと、間にできた隙間から養分が流れ出てしまいやすいが、粒が細かい粘土は隙間ができにくい上、養分がくっ付きやすい性質を持っている。そのため、与えた養分がその場に留まりやすく、より多くの栄養を作物が吸収できる。

収穫

  • 蕾のてっぺんから18~20cm程度の所で一度切り、葉っぱを切り落とした後、出荷用に16~18cmに切り揃える。
  • 肥料を散布するしょいこの廃材を利用して作った加藤さんオリジナルのカゴを背負い、収穫を行っている。
  • 加藤さん夫婦は、多い日で約1トンのブロッコリーを収穫し、採れたてのブロッコリーは、自宅横の作業場で箱詰めされ、東京を始め全国に出荷されている。
  • 加藤さん夫婦以外にも田原市には、灌水ホースや廃車のシートベルト等を利用して、手作りで収穫道具を作成している方々が多い。

調理

ブロッコリーバーグ

  1. 花蕾を1~2cm大に切る。
  2. 茎は1cmの角切りにして、(1)と一緒に蒸す。
  3. 合い挽き肉、炒めた玉ねぎ、塩コショウ、牛乳、卵黄、パン粉を入れてよくこねたら、(2)を入れて再び混ぜ合わせる。
  4. (3)を形成して、表面に小麦粉をまぶしたら強火で焼き目をつける。
  5. (4)に水を入れて弱火で8~10分焼いたら、最後に香りづけのバターを入れて完成。

チンジャオロース風

  1. ブロッコリーの茎を細切りにする。
  2. 牛肉の細切りに酒と醤油で下味をつけて、片栗粉をもみ込む。
  3. ごま油とにんにくを炒め、香りが出てきたら、(2)を入れ炒め、(1)を入れてさらに炒め続ける。
  4. (3)に蒸した花蕾、オイスターソース、塩コショウを入れて、仕上げに鷹の爪、ごま油を加えたら完成。

ブロッコリーチャーハン

  1. 玉子を半熟に熱して、皿に移しておく。
  2. ベーコンとみじん切りにしたブロッコリーの茎、ご飯を入れ炒める。
  3. (2)に(1)と薄口醤油、塩コショウお好みで鶏ガラスープを入れて味を整えた後、蒸した花蕾を1株分入れて、炒めたら完成。