出張DASH村

栃木県鹿沼市

  • 面積490.64平方km、人口96,409人(平成30年7月1日現在)
  • 鹿沼市は栃木県の県央西部に位置し、県庁所在地の宇都宮市と世界遺産の日光東照宮がある日光市に隣接。
  • 栃木県はニラの生産量が全国2位を誇り、(平成28年度農林水産統計調べ)特に鹿沼市でニラの栽培が盛ん。
    そのほかトマトやイチゴ、蕎麦などの栽培も盛んな地域。
  • 赤城山が噴火した際の火山灰が風化した軽石「鹿沼土」が市内全域で産出し、市の花に制定されているさつきと相性がいいとされている。

鹿沼そば

  • 鹿沼市では昭和30年頃から、自家消費程度で蕎麦を栽培していたが、鹿沼のそばの美味しさが徐々に広まっていき、栽培量と鹿沼そばを振る舞う店が増加した。
  • 鹿沼そばの条件
    1.鹿沼産の“玄そば"を使用したそばであること
    2.長く鹿沼市内で栽培している在来の“玄そば"であること
    3.鹿沼産そば粉使用率100%であること(他産地のそば粉を含まない)
    4.そば粉含有率70%以上であること
  • 鹿沼そばを提供する認証店は現在27店舗。
  • 戦後の食糧難の際に、蕎麦のカサ増しのためにニラを入れたのが「ニラそば」誕生のきっかけ。

お世話になった方

瓦井良一さん(61歳)

以前は地元の信用金庫に勤めていたが、31歳の時に脱サラし、ご両親がやっていた農業を継いだ。
その頃ご両親はすでにニラの栽培を始めていたが、まだ規模が小さかったため、『一緒に農業やるから規模を大きくしよう』と栽培量を増やした。今年でニラ栽培を始めて30年。

瓦井敦子さん(61歳)

良一さんと23歳の時に結婚。育児がひと段落してからニラ栽培を手伝うようになり、今では夫婦で朝早くから毎日収穫をしている。

ニラ

  • 中国原産、ユリ科の多年草。
  • カロテンやビタミンB2、カリウムなどの栄養素を豊富に含む。
    またニラ特有の匂いはネギなどに含まれる「アリシン」であり、ビタミンB1の吸収率を高める効果があるため、ビタミンB群が豊富なレバーや豚肉と一緒に摂ると良いとされている。
  • アリシンにはビタミンB1の活性化による疲労回復効果や滋養強壮だけでなく、血液サラサラ効果や、消炎効果なども期待できる。
  • 加熱をすることでうまみ成分のグルタミン酸が増える。
  • 日本に渡来したのは弥生時代というのが有力であり、『古事記』には賀美良(かみら)、『万葉集』には久々美良(くくみら)としてニラの記述があった。
    日本最古の薬物時点『本草和名』には古美良(こみら)と書かれている。
  • 戦国時代の武将である石田三成が最後に食べた食事が「ニラ雑炊」であるという逸話がある。
    関ヶ原の戦いの後に捕らえられた石田三成が、腹の調子が悪いと言って所望したと伝えられている。
  • 精進料理には、使用してはいけないとされている「五葷」と言われる精のつく野菜があり、その中にニラが含まれている。
    ※五葷の内容は国や宗派によって異なる。

ニラの生命力

ニラは一度刈っても繰り返し生えてくるもので、年間8~10回刈ることができる。
→光合成をすることで球根に養分を蓄え、その養分を使って何度も生えてくる。
夏は1日で約2cm伸び、約3週間で収穫サイズにまで伸びる。
1年経ったらその株は役目を終える。

鹿沼のニラ栽培

朝早くからの収穫

日中の気温が高い時間、ニラは人間が汗をかくのと同じように水分を放出するため、葉が萎れてしまう。
萎れてから収穫をしてしまうと葉はもう元に戻らないため、水分をたっぷり溜め込んで、葉がシャキッとしている早朝のうちに収穫をしている。

苗の選抜をして植えている!

同じ日に種蒔きをしたものでも、茎の太さや高さなどを比べると、良い苗と悪い苗があり、悪い苗はその後同じように育てても回復することはない。
そのため、苗を全て手作業で選別してから良い苗のみを定植をしている。
そうすることで、肉厚で幅広なニラに育つ。


ニラ専用の鎌

稲刈り用の鎌と違って歯が細かく歯先が丸いため、柔らかいニラの茎を切るのに、なめらかにサクッと刈ることができる。

収穫・出荷

  • 茎の土際をニラ専用の鎌で刈る。
  • 葉の高さが35cm以上、葉幅が8mm以上のものが一番上のランクの「AL」となる。
  • 刈った茎から水分が出てくるため、新聞紙の上に並べる。
  • 短い葉や折れた葉を手作業で取り除き、茎元をエアーコンプレッサーに当て、薄く残った皮や土を取り除く。
  • 1束ずつにしたニラをニラ専用結束機に設置すると自動でテープ留めをし、根元を切りそろえてくれる。
  • 10束ずつ袋詰めし、鮮度を保つために立てた状態で箱詰めし、東京・神奈川を中心に出荷される。

調理

ニラのおひたし

  1. 塩を加えた湯でニラを1分程茹で、冷水に取る。
  2. 水気を絞ったニラを4~5cm幅に切る。
  3. 皿に盛り付け、醤油・みりんに2~3時間浸けた卵黄を乗せ、タレをかける。

ニラ餃子

  1. ニラ2束分を2cm幅に切り、豚ひき肉、生姜、ゴマ油、醤油、オイスターソース、塩コショウと混ぜ合わせる。
  2. 大判の餃子の皮に具を乗せて包む。
  3. フライパンにサラダ油を熱して餃子を並べ、底の面に焼き目が付くまで焼く。
  4. 焼き目が付いたら餃子が1/3浸かるほどのお湯を入れて蓋をし、7~8分蒸し焼きにする。
  5. 水分が無くなったら蓋を外し、ゴマ油を回し入れて完成。

肉巻き

  1. ニラ1束分をサッと茹でて冷水に取り水気を切る。
  2. 豚バラ肉を縦に少し重ねながら広げ、塩・コショウで下味を付ける。
  3. 豚バラ肉の長さに合わせてニラを切り、手前に乗せて巻いていく。
  4. フライパンにゴマ油を熱し、(3)の巻き終わりを下にして転がしながら焼く。
  5. 全体に焼き色が付いたら水・めんつゆを加えて蒸し焼きにする。

ニラそば

  1. 蕎麦を茹で、冷水でぬめりを取り、氷水で締める。
  2. 蕎麦の茹で汁でニラ2束分を茹でて、冷水で締める。
  3. 蕎麦を盛り付け、その上に食べやすい長さに切ったニラを乗せる。

ニラと干しエビのかき揚げ

  1. ニラ1束分を3~4cmの長さに切り、干しエビと一緒に小麦粉と混ぜ合わせる。
  2. 冷水と天ぷら粉を合わせ、(1)を加えて混ぜる。
  3. 180℃の油で(2)を揚げる。

ニラレバ玉

  1. レバーは氷水に10分浸けて臭みを抜く。
  2. 酒、醤油、塩、コショウでレバーに下味を付け、10分置いた後に片栗粉を加えて混ぜる。
  3. ニラ2束分を4cmの長さに切り、にんにく、生姜をすりおろす。
  4. フライパンにサラダ油を熱し、溶いた卵で炒り卵を作って皿に上げておく。
  5. フライパンでレバーの両面をこんがりと焼き、空いたところにおろしニンニク、豆板醤、醤油、砂糖を入れ、レバーと和えたらもやしを加える。
  6. オイスターソース、砂糖、酒、醤油を加える。
  7. ニラを加え味が馴染んだら、炒り卵を加えて完成。