出張DASH村

東京都八丈島

  • 面積69.11平方km、人口7377人。(令和元年8月1日現在)
  • 八丈島は、東京の南方海上287キロメートルに位置する、ひょうたん型をした島。
    伊豆七島に属し、高温多湿で雨が多いのが特徴。
  • 気候は、黒潮暖流の影響を受けた海洋性気候を呈し、年平均18.1℃。
    「常春の島」と呼ばれる温暖な島で「東洋のハワイ」と呼ばれている。
  • くさやが有名。
    八丈島のくさやは、元祖である新島からくさや汁を分けてもらい、くさや加工者が長い年月をかけて繰り返し調合を重ね、各々独自で秘伝の汁を完成させてきた。
    焼く時に発せられる独特の匂いも、病みつきになる美味しさも、くさや汁ひとつで決まるといわれ、作り手のこだわりが凝縮された逸品。
    八丈島では、町中の飲食店で提供されたり、健康と長寿の秘訣として日常の食卓にのぼり、冠婚葬祭にも欠かせないものとして継承されている。

お世話になった方

大沢 竜児(リョウジ)さん 49歳

生まれも育ちも八丈島で、4年前から椎茸栽培を始めた。

椎茸農家になったきっかけ

息子に本物の昆虫を触らせたいと思い、クワガタやカブトを幼虫から育て出す。
その時飼育するのに使用していたのが、おがくずとキノコの菌(ヒラタケ)で作られた菌糸瓶と言われるもの。
ある日、その瓶から食用のキノコ(ヒラタケ)が生えているのを発見し食べてみたところ、その美味しさに感動。
そこから、八丈島の気候風土がキノコ栽培に向いているのでは。と考え、環境によって味が変わる椎茸に着目。4年かけて八丈島に合う椎茸菌を探し出し栽培を始めた。

キノコとクワガタの関係性

自然のクワガタの幼虫は、朽ち木の中で育つ。
その理由は、幼虫の餌が木の成分セルロースのため。
幼虫が食べられるよう分解してくれるのがキノコの菌。

大沢さんのコレクション

ヘラクレスオオカブト
南米中部を中心に広い範囲に分布する世界最長のカブトムシ。
カブトムシの王様と呼ばれ、大きいもので体長は約18cmに達すると言われている。

スマトラオオヒラタ
東南アジアのスマトラ島に生息しているヒラタクワガタの一種。
性格が強暴で体も大きく、大きなものは10cmを超えるものも。
また、大アゴで挟む力が強力。

しいたけ

  • 椎茸は、栽培方法によって「原木椎茸」と「菌床椎茸」の2種類に分けられる。

    (1) 原木椎茸…自然の森の中で、椎茸菌を打ち込んだ原木に生えるのが原木椎茸。
    自然の気象条件を利用して栽培される原木椎茸は、1年のうち春と秋にだけ発生。

    (2) 菌床椎茸…おがくずと椎茸菌を混ぜて作られる菌床ブロックを使って、椎茸を栽培する方法。3~6か月ほどのサイクルで次々に収穫できるため、一年中「生椎茸」の状態で流通させやすい。
  • 旨味成分のグアニル酸が豊富で、他にもさまざまな栄養が含まれている。
    さらに低カロリーでもある健康食材。
    →グアニル酸は三大うま味成分の1つ。他の2つはグルタミン酸、イノシン酸。
  • 二日酔いに効果があると言われるオルニチンがしじみの約8倍含まれている。
    →二日酔い予防として有名なオルニチンだが、他にも成長ホルモンの分泌を促し
    成長や体格作りを助けたり、栄養を代謝する事で美肌作りに役立つ効果も。
  • 食物繊維が豊富。
    →食物繊維は、便通を整えて便秘を防ぐうえで欠かせないもので、便のかさを増やして
    腸の働きをよくしてくれる働きがある。

海風しいたけ

  • 「海風しいたけ」は、八丈島の気候風土を活かして、菌床栽培によって生産されている。
  • 椎茸の生育に合った八丈島の高温多湿の環境で作られるため、肉厚で巨大。
  • 一般的な椎茸は、1週間から10日ほどで収穫可能な大きさに生長するが、海風しいたけは最短で4日で収穫できるほどの大きさに生長。
    →生長が早いため隙間が生まれ、本来は硬くて捨ててしまう軸が太くて柔らかいのが特徴。
  • 1日に2回ハウスの扉を開放して、潮風に当てている。
    これにより、ミネラル豊富で旨味の強い椎茸に生長。

収穫

  • 菌床ブロックから生えた海風しいたけをハサミで収穫していく。
  • 収穫の目安は、傘が閉じていて丸い椎茸。

調理

椎茸の肉詰めフライ

  1. 椎茸は軸部分を取り、軸は四角に切る。
  2. (1)の軸と玉ねぎ、豚ひき肉、塩コショウをよく混ぜ合わせる。
  3. (1)で軸を取った椎茸の傘の裏面に(2)を貼り付けていく。
    この時、傘の裏面に片栗粉を塗っておくと肉が椎茸から剥がれにくくなる。
  4. (3)に大葉を巻いて、卵、パン粉をつけたら170℃の油で10分揚げる。
  5. バットに上げて、皿に盛り付けたら、塩を添えて完成。

椎茸たっぷりのクリームパスタ

  1. 椎茸は傘を1.5cmに幅、軸は縦に3分の1にそれぞれカット。
  2. オリーブオイル、すり潰したニンニクを炒め、そこへ(1)の椎茸、玉ねぎ、きくらげ、ベビーホタテを入れる。
  3. 具材に火が通ったら、牛乳、生クリーム、コンソメ、塩、ホワイトペッパーで味付けしていく。
  4. 隠し味に塩辛を加えるとコクが出る。
  5. 煮詰め終わったら茹でたパスタを入れ、弱火で絡ませ完成。

椎茸ソースの生姜焼き

  1. 椎茸は軸ごと縦に切る。
  2. しょうが、ニンニク、すりおろしたリンゴ、醤油を混ぜ合わせてタレを作る。
  3. 両面に小麦粉をまぶした豚ロースを中火で焼く。
  4. (1)の椎茸、玉ねぎを炒める。
  5. (4)に(3)の豚ロースと(2)のタレを入れ、みりんをひと回しさせて煮立たせたら完成。

椎茸たっぷり鯛めし

  1. 椎茸は軸を切り落とし、軸は手でさく。傘は深めに十字で切り込みを入れる。
  2. 土鍋に米、水、昆布を入れ、薄口醤油、酒、塩を加えて味付けする。
  3. (2)に金目鯛の切り身と(1)の椎茸を置いて、強火で沸騰するのを待つ。
  4. 沸騰したら、弱火に15分かけた後、火を消して10分蒸らして完成。

冷製鯛茶漬け

  1. 干し椎茸を戻して出汁を取り、冷凍庫で冷やして凍らせる。
  2. バーナーで炙った鯛のあら汁で出汁を取り、氷水で冷やす。
  3. (2)に氷の状態になった(1)を入れる。
  4. 鯛めしに練り梅と大葉を乗せて、(3)をかけて出来上がり。