千葉県は土壌条件、気象条件に恵まれた梨の栽培適地で、和梨の栽培面積、収穫量、産出額ともに、日本一を誇る。
梨の生産量は14年連続日本1位(2014年~2018年)
その後、地元の洋菓子店に勤務していたが、父親がケガをしたのをきっかけに実家の農家を継いだ。
関東近郊の梨農園に通い、学ぶこと約5年、元パティシエの経験を農業に生かして、自称「日本一綺麗な梨農園」を完成させた!
見た目も味も全て揃って並んでいるケーキ店のショーケースの様な梨園を作りたいと思い、實川さんは枝同士がぶつからない様に、枝が伸びる方向を日々チェックし調整。
そのため、枝や葉が綺麗に揃い、太陽の光が均一に当たるので、梨1つ1つがバラつきなく、全てが均等な味の美味しい梨に育つという。
梨の実は適度に太陽が当たることで、デンプンが活発に働き、甘くなる。
しずく型の洋梨が、ヨーロッパがルーツなのに対し、まるい一般的な梨は“和梨"と呼ばれ、古くから日本独自で栽培されてきた。
果実部分の90%近くを水分が占めるため、美味しく水分補給が出来る果物。
また、むくみ解消や血圧を下げる効果があると言われているカリウムが豊富なほか、アスパラギン酸・ソルビトールなど多くの栄養素が入っていることから、夏バテ防止にも期待ができる。
梨特有のザラザラは、果点コルクと呼ばれ梨の水分を守る役割がある。
梨の実は皮の表面にある気孔という穴から呼吸をしているが、実が大きく膨らむとともに、皮の表面も伸びて広がるため、気孔が壊れ、そこから水分が抜けてしまう。
それを防ぐため、果点コルクがカサブタのように穴のフタとなり、梨の水分を実の中に閉じ込める。
カサブタ(果点コルク)が薄まり、皮が黄色くなった梨は熟したサイン。
その梨を見つけるのが、美味しい梨を収穫できるポイント。
洋ナシと違い、和梨は追熟しないため、買った時が食べごろ。
1時間ほど冷やして食べるのが一番甘みを感じるという。
實川さんは現在、約35品種の梨を栽培している。
梨の品種は100品種以上あるが、その1つ1つは旬が約2週間と短いため、實川さんは収穫時期を計算し、およそ3ヶ月間梨が食べられるようにしている。
幸水
幸水は、日本で生産量が一番多いと言われている品種。
甘さ、みずみずしさ、酸味のバランスが絶妙であることから、根強い人気を誇っている。
筑水
筑水は、酸味がほとんどなく、果汁がしたたり、甘みの強い梨。
食べた瞬間、まるで「桃のような香り」が、ほんのり口の中に広がるのが特徴的で、8月初旬に収穫できる實川さんの梨の中で、オススメの隠れ人気品種。
實川さんの梨園は海から内陸へ約9km離れた小さな山の頂上。
周りに高い建物がない高台なので、太陽の光をたっぷり浴びて甘い梨に。
さらに水はけが良く、余分な水分が流れる事で、栄養をたくさん吸収でき、水で薄まる事なく濃厚な味の梨に育つ。
また高台で風通しが良いため、風が吹き抜ける事で、菌や虫がつきにくく、病気になりにくい。
梨の実を上に向かって持ち上げるだけで、ヘタから簡単に外れて収穫できる。
實川さんが経営しているカフェの一番人気メニュー。
具にもカレーソースにもたっぷり梨を使ったインド風のカレー。
今回はカフェで出される梨カレーを、家庭用でも簡単に作れるレシピで紹介してくれた。