日本海に突き出た能登半島の内陸部にある人口約2万3千人の市。(令和5年2月1日現在)
豊かな自然や文化を一体で維持していく価値が高く評価され、次世代に引き継ぐべき素晴らしい財産として世界農業遺産に認定されている。
《輪島塗》
重要無形文化財に指定されている伝統工芸。
お椀ができるまでの工程は100以上に及び、1年以上かかることも。
《輪島朝市》
日本三大朝市の一つに数えられている輪島朝市。
新鮮な海産物をはじめ干物や野菜、民芸品などを扱うお店が約200軒並ぶ。
山崎巌さんは、椎茸農家になる前は約40年間消防士を務めていて町の安全を守っていた。
DASH村の大ファンで、自らハウスの横に休憩小屋を建てたり、味噌などを手作りしたりと自給自足の生活を送っている。
また米作りも行っていて、去年の新米を今回の料理に提供してくれた。
山崎さんの周辺で「のとてまり」を作っているのは山崎さんだけ。
椎茸は主に2つの栽培方法に分けられる。
三大うま味成分の1つであるグアニル酸を豊富に含む。
他の2つはグルタミン酸、イノシン酸。
二日酔いに効果があると言われるオルニチンがしじみの約8倍。
椎茸は気温15度以上になると傘を開き、子孫を残そうと胞子を飛ばす。
すると、溜め込んでいた栄養分を使い切ってしまうので味が落ちてしまう。
「のとてまり」とは、奥能登の気候風土を生かして栽培される超高級椎茸。
日本きのこセンター(鳥取市)が昭和60年代に開発した肉厚・大型の品種「菌興115」を活用。原木椎茸の品種「Noto(のと)115」として生産を開始した。
その中で、
という厳しい規格を満たして生長した椎茸を「のとてまり」として出荷している。
そのため希少価値が高く、去年の初競りではなんと8個入り31万5000円で落札された!
1.能登の気候
一般的な椎茸が出始めから生長まで1週間~10日ほどかかるのに対して、能登の椎茸はゆっくり50日かけて生長する。
椎茸が生長するには12度前後が最適な気温だが、椎茸が最も出る冬の時期の能登は平均気温が3度前後。
ハウスに入れて保温することで、椎茸がギリギリ育つ温度となり、寒さに耐えながらたっぷりと栄養分を吸収するので、より大きく、より美味しい椎茸に。
2.袋がけ
椎茸の水分量は90~95%で、水分が蒸発し乾燥すると栄養分を作り出す機能が弱まってしまい、元気に生長できなくなってしまう。
そのため能登の椎茸では、500円玉サイズになったタイミングで袋を被せ、水分の蒸発を防ぐことで、元気の源である水分を限界まで溜め込むことができ、旨みたっぷりでジューシーな椎茸になる。
3.1本の原木から生えてくる量
通常1本の原木から生えてくる椎茸は1回のサイクルで15個ほど。
それに対し、能登の椎茸は3個程度。
あえて原木の片面には散水しないなどの方法をとることで、生えてくる椎茸の数を制限。
1本の原木に対して少ない数の椎茸にすることで、より多くの栄養分を集中させることができる。