梅雨明け後の新男米の様子見に新潟県南魚沼市、鈴木清さんの棚田に訪れました。
被害状況
このゲリラ豪雨で、新男米二米目は被害を受けなかったが、田んぼをお借りしている鈴木清さんのコシヒカリの4割が土砂に埋まるなどして被害を受けた。
棚田の畦が倒壊し、田んぼ上下ともに大きな被害。
上段:畦が崩れた事で水の歯止めがきかなくなり、水分管理が難しくなる。
畦シート(畦の水漏れ防止用のもの)で応急処置
下段:出穂し始めたコシヒカリが土砂に埋まる
完全に埋まってしまったものは、収穫は出来ないが、根元部分のみ土砂に埋まってしまったものは、手刈りなら収穫が可能。コンバインによる収穫は、流木などが邪魔をして難しい。
2011年度の新男米二枚目
稲架木(はさぎ)
あんぼ
脱穀
籾すり
国が検査規格を決めて、一定の基準で検査されたものは、産地と品種と等級で価格が決まる仕組みになっている。
検査の流れ
JAに搬入されて来た米を出荷前に20gのサンプルを取り、水分量を計り、目視と機械で整粒具合をWチェックする。
水分量の測定
流通するものなので、保管方法や期間が重要になる。この保管には水分量が関係する。
適量:14.5%~15.5%
過多:16%以上
味が落ち、保管中に虫カビが生えやすくなるので、搬入する事が出来ない。
不足:13%以下
味が落ちる、粒がわれやすくなる。
※15%未満だと、その分、一粒当たりの重さが減ってしまうので、一袋により多くの米が必要になる。(=収入量が減る)
整粒具合の確認
①目視
人が目で見て、整粒歩合を検査。1000粒(約20g)の玄米の中に、整った形をしている米粒(整粒)の割合を主として判定。1等米~3等米、そして規格外があり、基準の元に区分される。
等級基準
等級 | 整粒歩合 | 着色粒混入率 | 被害粒 |
---|---|---|---|
1等米 | 70%以上 | ~0.1% | ~15% |
2等米 | 60%以上 | ~0.3% | 15~20% |
3等米 | 45%以上 | ~0.7% | 20~30% |
規格外 | 上記規格に該当せず、異種殻粒・異物を50%以上混入しているもの |
目視検査には黒い皿と白い皿を使い分ける。
黒い検査皿:くず米があるかどうかなど、お米の形を確認。
白い検査皿:米の着色具合や害虫の食害具合を確認
未熟粒
完全に成熟していない玄米(死米を省く)を指す。基準より軽微な場合は未整粒として扱う。
被害粒
登熟途中または、その後に損傷を受けた粒。
着色粒
カビ、菌、害虫などにより米粒の表面全体か一部が黄、茶、黒色などに変色している米粒。
玄米から精米にしても色が残るもの。
カメムシ等の食害によるお米は「着色粒」にあたり、良品が70%以上であっても1,000粒の中に1~2粒あると等級落ちになる、非常に厳しい検査。
②機械
整粒度の測定器:着色米・くず米・虫食い米などの計測を行う。
JAの検査によると、整粒68%の二等米。一等米にわずか2%届かず。
①栄養不足(細い、いびつな形をしている)
特に肥料を与えていない。
昨年と比べ、アイガモ農法を行っていないことにより、雑草が大量発生し、栄養を取られた。
②品種改良の途中
10年かかる品種改良の途中なので、まだ米の品種が定まっておらず、米の大きさにバラツキがでた。
いい米を作るには、田を起こす時期から初めて、一年間みっちり手間をかけてやったほうがいい。来年は、もっと手間をかけてやって、今年の経験も活かしてもっといい米をつくりたい!