田んぼに直接、縦・横と線を引き、交わった点に苗を植えていく。
竹で出来た歯の感覚は均等だが、間隔が30cmのものもあれば、20cmのものもある。
子供の頃は、肥料が十分になかったから、堆肥と山からとって来た葉っぱを切って土にすき込んで、肥料にしてたんだぞ。
新男米の生育は順調。分けつ数は、45本!!
→去年の27本でも多かったのに、倍近く激増していた。
原因
よく観察していると、犯人はスズメ。
→米の元となる、まだ液状のデンプンを吸い取っていた。食べられた米は、もちろん収穫できない。
→通常、同じ品種の米を広い土地で育てるので、その一帯の田んぼは同時期に出穂し、スズメも分散する。
→新男米は周辺のコシヒカリよりも1週間~10日ほど早く出穂したため、新男米に集中した。
→一度、味を知ると、例え、後に他の品種が出穂しても、同じ品種を狙い続け、食べ尽す。
受精~登熟までの流れ
稲は開花すると、蕾の腹が割れておしべが飛び出す。
風の力で花粉が飛び散ると葯の中のめしべに花粉がつき、受精する。
すると、子房が膨れ、10日後には殻一杯になる。
鳥追い
昔から、米農家さんはスズメの被害に悩まされ、一年に2度、鳥追いを行っていた。
→1度目は、種まきのあと。昔は苗代に直播きしていたので、種もみがスズメに食べられる事が多く、常に監視するなど対策を行う。蒔いた種もみの芽が伸びて、苗が緑になるまで鳥追いを続けなければならなかった。
→2度目は稲穂が出てきてから。
スズメ追い用の鳴子
田んぼの中央に棒を立て、棒の上部に結んで四方に渡した綱に鳴子がつけてある。
追い払う時は1本の綱を引くと鳴子が一斉になる。
明雄さん vs スズメ
明雄さんが、大きな音がなる一斗缶でスズメを脅し抵抗していたが、効果はそのとき限り。さらに泥を投げて威嚇するも、懲りずにすぐに襲来してくる。
※かつて、鳥追いは子供たちの仕事だったので、学校から帰り、日暮れまで行っていた。スズメの大群が来ると、石油缶を叩いたり、手を叩いたり、大声で「ホーイホーイ」と叫んで追い払った。子供たちが学校に行っている間は、年寄りが代わりに行う。
子供の頃から、スズメには悩まされてたぞ。だから、俺もよく鳥を追っ払ってたんだ。
田んぼの真ん中に吊るして、縄で繋ぎ、遠くから見張ったんだ。スズメが来たら、縄を引っ張って、一斗缶を鳴らし、大きな音を出して追っ払ったんだ。
今年も、DASH村の仲間と共に稲刈り。慣れた手付きでテキパキと刈っていくので、村より広い田んぼだったけれど、あっという間に終わった。そして、「棒がけ」で天日干しし、乾燥させる。
稲こうじ
「稲こうじ菌がついた年は豊作になる」というのは、俺の両親や祖父母から聞いたんだ。
理由は分からなかったけれど、代々言い伝えられているんだな。
籾すり
今年も籾すり機にて籾すり。DASH村で使用していた木摺臼(きずるす)は力と時間がかかったが、こちらもあっという間に籾が剥かれ、玄米になった。
放射能検査
福島県は全ての米に対して、放射能検査を義務化。新男米も検査して頂いた。
機械の中に袋詰めの玄米を通し、放射能を測る。基準値以下だと緑のランプが付き、安全が証明され、出荷される。しかし、赤いランプが光ってしまうと、要精密検査になる。
もしここで、赤いランプが点灯してしまったら、半年以上かけたお米が食べられなくなってしまうので、ハラハラしたが、無事に青いランプが点灯し、安全が証明された。
精米し、昨年同様、DASH村の仲間たちが、明雄さんが野菜を作る畑に集合。一年ぶりに会う方も多く、みんなで久しぶりの再会を喜んだ。DASH村で定番だった豚汁とお漬物で、新男米の大収穫祭を行なった。
最後には、若い時、バンドに所属しギターを弾いていたと言う難波さんと、ギタリストが本職の城島さんの伴奏にみんなでDASH村を思い出しながら『ふるさと』を歌い、一年を締めくくりました。