五右衛門の生産者
遠藤五一さん
米づくり歴40年。江戸時代から続く農家の12代目。
日本で一番美味しいお米を作る生産者と呼ばれるほどの米づくりの匠。
米作りにおいて常に最優先すべきと考えている課題を“環境問題"と捉え無農薬米や有機栽培に取り組み、「安心安全なお米を作り」を行う。
米・食味分析鑑定コンクール成績
- 2007年ダイヤモンド褒賞受賞
- 総合部門金賞(2004年・2005年・2006年)
- 品種別部門金賞(2003年)
- 環境農業大賞(2010年)
生産地:山形県高畠町
→置賜盆地には肥沃な耕土と奥羽山系から流れる良質な水で育てられる、お米の名産地。
→盆地であるため昼夜の寒暖の差が大きい。
品種:つや姫
→山形県で10年の歳月をかけて開発されたブランド米。
→「つや姫」の特徴は、つやがあり、粒が揃っていて、甘みと旨みを兼ね備えている。
→特別栽培米を5年以上栽培した経験のある人で、さらに県から作付けの認証を得た人のみが栽培できる品種。
→作付け面積もまだ少なく、限られた量しか生産できない。
種の準備
1.塩水選
種籾を塩水につけると、重く良い種籾は下に沈み、軽く中身が詰まっていない種籾は浮く。
これは、明治19年(1886)から行われ、日本の「科学的な農業」の始まりといわれている。
塩水選の方法
- バケツなどの容器に水を入れ、その水に塩を溶かす。
塩の量は、計器で計ることもできるが、新鮮な生玉子の浮き沈みでも、簡単に計れる。
→計器で計ると、その塩分濃度は、コシヒカリなどのうるち米では1.13、もち米では1.08。
- 1.に乾燥状態の種もみを入れ、よくかき混ぜると、沈む種もみと浮かぶ種もみに分かれる。
→沈んだ種もみを使用する。
→沈んだ種もみは、真水で洗い塩分を取り除く。
遠藤さんの方法
- 遠藤さんに教えてもらった方法は、塩を通常の量よりも1.5倍使用する。
→すると、1.13の濃度が、1.15くらいまで上がる。
- 塩水の比重があがるので、種もみをより厳しく選抜できる。
→通常の塩の量で、4分の3の種もみが合格したが、4分の1にまで厳選される。
2.種の消毒
- 種には、いもち病などの病原菌がついていることがあり、病原菌を殺すため、消毒する。
- 最近では、温湯消毒が普及している。
→0℃で10分間、または58℃で15分間、お湯に浸たす。
3.浸種
- 発芽させるために、種もみを流水に浸けて、十分に吸水させる。
一般に、種もみの水分が約15%になると発芽の準備に入り、約25%で発芽する。
→その期間はおよそ10日間。
- 水分を吸収すると、種もみの中のデンプンが分解されてブドウ糖となり、新しい細胞を作ったり、呼吸をするエネルギー源となり、発芽が促進される。
→水温が高いほど早く吸水し、デンプンの糖化も早くなり、発芽活動が早くなが、種もみの中の発芽にムラが出やすくなる。
4.催芽
36~40℃のお湯で湯通しを行い、種もみの発芽の個体差を小さくする作業。
芽の長さを約1~2mmに揃える。
種蒔き
一粒蒔き[DASH村の方法]
直径およそ1cmほどの穴が300個ほど空いた育苗箱に一粒ずつ蒔く。
→まっすぐに育ち、根も他の苗と栄養を奪い合うことなく、太く丈夫な苗を育てることができる。
バラ蒔き[一般的な方法]
区切られてない容器の中に播種機や手で種を全体に蒔く。
→大規模な土地で栽培している農家さんなど、一番効率の良い種蒔き方法。
→育苗箱1つに対し、およそ6000粒種が蒔かれている。
田植え
- 昨年、明雄さんの指導で作ったガチ棒を今年も使用する。
→ガチ棒とは、苗を植える位置に印をつける道具。
→通常、15~20cmほどの間隔で植えられるが、新男米は30cmと広い間隔で植える。
- 今年は遠藤さんの教えで塩水選を厳しくしたため、いつもより苗が少なく、最後まで植えることができなかった。
- 米・食味鑑定士協会が2000年(平成12年)より行っている"お米のコンクール"。
→お米の検査が「等級検査(見た目)」のみが主流だったので、お米の食味にこだわったコンクールを開催。
→また、衰退しつつあった「地方・農業・稲作の復興」を後押しする目的もある。
- 第1回は100検体に満たない出品数で始まりましたが、昨年は4300以上の出品数が応募するなど、今や国内最大を誇るコンクールとなっている。
ダイアモンド褒賞
連続5回以上の入賞と総合部門で3回以上の金賞を受賞することが受賞の条件。毎年変化する気候に合わせて、常に安定しておいしいお米を作る技術が求められるため、これまでにわずか8名しか受賞者がいない。
乙女ごころ
寒暖差を利用した栽培と、自然豊かな北アルプスの良質なミネラル、米を十分に登熟させ、旨味が詰まったお米を栽培している。
生産者:和仁松男さん
生産地:岐阜県高山市
→日本列島のほぼ中央に位置し、高山盆地は内陸性盆地型気候。
→昼夜、夏冬の気候温度差が大きく、湿度が低い。
米・食味分析鑑定コンクール成績
- 2012年ダイヤンド褒賞受賞
- 総合部門金賞(2011年・2010年・2008年・2007年)
- 特別優秀賞(2009年)
品種:ミルキークイーン
- 一般的なお米に含まれているアミロースというデンプンが少ないお米。
- コシヒカリより、もちもちした食感と粘りがあり食感に優れている。冷めても残るのも特徴。
笠原農園米
出来る限り農薬は使わず、肥料は有機肥料を使用。
南魚沼産の中でも評価が高く、粘り・ツヤ・甘み・香りが絶妙なバランスのお米。
生産者:笠原勝彦さん
生産地:新潟県南魚沼市
→食味官能試験のランクで1989年から2014年まで25年連続最高位の特Aを獲得。
→新潟県南部に位置し越後三山をはじめとする山々に囲まれ、山から湧き出る豊富な雪解け水、肥沃な土壌、昼夜の温度差が大きい山間地特有の気候風土など恵まれた自然環境を有している。
米・食味分析鑑定コンクール成績
- 2009年ダイヤモンド褒賞受賞
- 総合部門金賞(2004年・2007年・2008年)
- 品種別部門金賞(2005年)
- 特別優秀賞(2006年)
品種:コシヒカリ
- 日本で一番の作付数量を誇り、日本で一番食べられている品種。
- 粘り・硬さのバランスがよく、良食味が特徴のお米。
焼きおにぎり
今年は厳しく塩水選を行った為、選抜からもれた種もみが多く残ってしまった。
その種もみを、天日干しし、精米したものを孝子さんが炊いて持ってきてくれた。
それで、醤油とネギ味噌をつけた焼きおにぎりを作る。