2014年は品質で最高級の一等米と認められ、14年越しの悲願達成。
しかし、明雄さんの“まだまだ”という精神を受け継ぎ今度は、味を極めることに。
米・食味分析鑑定コンクールと呼ばれる、日本一のお米を決めるコンテストがあり、4300点以上の中から最高賞、金賞に選ばれる米は10点ほどしかないが、5年連続でその金賞を獲得し、殿堂入りを果たした米の匠がいた。
今年の米作りは、殿堂入りを果たした米づくりの匠が作った3種のお米を食べ比べ、美味しい米とはどういうものか味わうことから始まった。
TOKIOが一番感じた、新男米との違い。
遠藤さんの米は、程よい歯ごたえと、噛めば噛むほど、口の中に広がる甘みが新男米との決定的な違いだった。
そこで、その三種類の一つを作る、山形県高畠町の米の匠、遠藤五一さんを訪ねた。
遠藤さんの米との違いは、「米粒の大きさ」新男米と比べると遠藤さんの米は大きく、その分、美味しさの源、でんぷんが多く詰まっていた。
そこで、粒が大きいお米の作り方を学ばせていただいた。
遠藤さんに教えてもらった方法は、塩を通常の量よりも1.5倍多く使用する。
すると塩水の比重があがるので、種もみをより厳しく選抜できる。
→厳しく選んだことで、4分の1しか残らなかった。
出穂とは、穂が出始める時期。
稲は、穂が出てからすぐに花を咲かせ、受粉を行う。
この時期は美味しさの源“でんぷん"を溜め込むお米を作るための大事な時期。
田んぼに水を入れる。
田んぼの周りの気温が下がる。水を入れるだけで、田んぼの気温が最大で5℃程度も下り、稲の生長に必要な活動が再開され、猛暑の中でも、実の詰まったお米を作ることができる。
雪解け水
新男米の田んぼの水は、近くを流れる名水“荒川"の水。この水は吾妻連峰から流れる雪解け水。
夏場でも平均気温が20℃ほどと冷たく、この水を入れることで新男米にとって、大事な時期を乗り越えられた。
1本の苗が根元から分かれ、増えること。
去年との違い
2014年の茎の太さを比べると、1本1本が太く、その太さはおよそ1.5倍の太さとなった。
さらに、分けつの本数も過去最高の55本となり、種を厳選した効果が現れた形となった。
お米の宿敵 スズメ
毎年、出穂後のお米の中は、美味しさの源“でんぷん"が固まる前のまだ甘い液状で、スズメの大好物。
スズメに食べられた稲穂は白くなり、中身のないスカスカなお米になってしまう。
今年は種をより厳しくしたことで、栄養分をたっぷり吸収した新男米は、目標である「粒の大きなお米」を実らせ、遠藤さんの米と比べても、ひけをとらない大きさに。
茎は太くて数が多く、刈る時の刃のあたりも例年とは違う感触を実感することもできた。
3週間、天日干しで乾燥した籾は丁度いい水分量に。難波さんのハーベスタをお借りして脱穀。
その後はもみすり機を使い、玄米に。
今年は、厳選したため、収量が去年よりも少なくなってしまったが、玄米にして、改めて粒の大きさを感じるものとなった。
20g中の良い米粒の量によって定める等級検査を行った。
良い粒が20g中14g以上あると一等米となる。
猛暑の影響で新男米と同じ時期に収獲されるお米は全体的に高温障害を受けたらしいが、新男米は種を厳選したこと、8月に水を入れたことで、猛暑の影響を抑えることができた。
なので、14.2gとギリギリではあったが去年に引き続き、一等米を獲得した。
一等米を獲得したことを村の仲間に報告し、皆と味わう。
目指していた大粒の米の匠 遠藤五一さんも駆けつけてきてくれた。
その匠に「バッチリです。上出来」と評価していただきき、大成功の1年となった。