突然の出来事でした。
1月19日の正午前、番組の制作スタッフが村役場の裏にあるスタッフ用のガスコンロで、撮影の準備のため、油を入れた鍋を火にかけていたところ、その場を離れた間に、ガスコンロの火が油に引火。またたく間に燃え上がった炎は、役場裏の納屋を焦がし始めました。
そのとき、DASH村には私を含め、5人の人間がいました。しかし、皆で、消火器や水で消火に当たったものの、火の勢いは強まるばかりで、またたく間に役場へと燃え移り、あたり一面は火の海に。その後すぐに駆けつけてくれた消防の方々が、アイガモたちのいる溜め池からホースで水を引き、消火してくださったのですが、午後1時過ぎ、完全に鎮火したころには、役場は、柱と一部の壁を残して燃えてしまいました。
人や動物たちは避難し無事でしたが、あのときは、何がなんだかわかりませんでした。皆、何とかして火を止められないかと思い、奔走したものの、次第に煙で呼吸が苦しくなり、荒波のように燃え広がった炎は、そこにあったもののすべてを、見る見るうちに黒く変えていきました。
ちょっとした不注意から起きた大きな出来事。ご迷惑をおかけした近隣の方々への申し訳なさと、消防関係の方々をはじめとする、駆けつけてくださった方々への感謝、そして、不注意に対する反省の思いでいっぱいです。
今、黒く焦げた柱の残る、瓦礫の山を歩くと、これまでのことが自然と思い出されます。
「村役場」として修復したとき、新しいものが動き出すよろこびを感じたこと。八木橋や北登という仲間も加わり、にぎやかになってきたこと。土間で和紙や漬物をつくったこと。そして、ここが「村役場」となる前の約50年の歴史のことと、何より、家づくりのときにお世話になった大工の棟梁、故池田末治さんのこと。考えると本当に申し訳ない思いでどうしようもなくなります。

この火事で、ほとんどが焼けてしまったのですが、焼け残ったものの中に、北登の小屋があります。屋根が落ちてきた火の粉で少し焦げていますが、そのまま残っています。
これからは、この小屋をあの一件の象徴として、忘れることなく、大切にしていきたいと思います。

この度は、近隣の方々を中心に、多くの方にご迷惑をおかけいたしまして、本当に申し訳ございませんでした。深く、お詫び申し上げます。
そして、消防関係の皆様、ありがとうございました。心より御礼申し上げます。