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演歌の女王

2007年1月期 土曜ドラマ
ストーリー

第一幕「オーマイガッ!! こんな不幸な女がいたの!? 大河内ひまわり登場」

2007年1月13日放送

「日本一不幸を呼ぶ女」、演歌歌手の大河内ひまわり(天海祐希)は、唯一の小ヒット曲「女のわかれ道」を引っさげての営業周りと弁当屋のパートで生計を立て、どうにか500万円の借金も返済した。

そんな40歳手前のひまわりに元マネジャーの萩本(段田安則)が勧めたお見合い相手は50過ぎのバツイチ、2人の子持ちの温水(温水洋一)だった。

お見合いの席で、ひまわりは、「日本一災いを呼ぶ男」、元恋人のヒトシ(原田泰造)と再会。ヒトシは、「お前は結婚より歌だろう」とひまわりを連れ去る。そして2人で150万円ずつ出して、「おんなの別れ道」のCDを再発売しヒットを狙おうと言い出す。

これまでヒトシに散々な目にあわされて来ていたひまわりはどうしても疑心暗鬼に…。しかし思えば「おまえの歌は日本一」と言ってくれたのは大好きだった父とヒトシだけだった…。

ひまわりはヒトシを信じて、死ぬ思いで150万円をかき集めるが、念願のジャケット撮影の日。なかなかヒトシは現れない…。トボトボと帰るひまわりの前にヒトシが突然現れる。ヒトシは、CD発売の話は駄目になったが、結婚するという。一瞬勘違いするひまわりだったが、相手は元キャバクラ嬢の真佐美(酒井若菜)だった。

「アイツ殺して私も死ぬ」と、結婚式に乗りこむひまわり。しかしそこで、300万円はヒトシの同級生、幸田(羽田美智子)の主人の手術代にとヒトシから渡されていたのを知る。

帰ろうとしたひまわりだったが、突然、警察に人違いで誘拐犯として逮捕されてしまう。「日本一ついてないですね、あなた」と謝る刑事は、お見合い相手の温水だった。

雪が舞う中、滑って転ぶひまわり。転んだ先にスルスルと転がってゆく真っ赤な反物、その一本道はこれから辿っていく悲しく寂しい、女の道のように続いていた。

 

第二幕「不幸を食べ、幸せを生む不死身のおんな」

2007年1月20日放送

ヒトシに抱かれている赤ん坊の写真を持った少年・信(武井証)に出会ったひまわり(天海祐希)。信はヒトシの事を「自分のお父さん」だと言う。さっそくひまわりはヒトシに事実を確認するが、彼はあっさりと自分の子供だと認める。なんとヒトシはバツイチ、信は7年前に別れた妻との間に出来た子供だった。

7年ぶりに再会した息子に淡々と近況を聞くと、帰ろうとするヒトシ。ひまわりはなぜヒトシの元へ会いに来たのか、その理由を聞けとせかすがのれんに腕押し。ひまわりに信をそのまま母親の元へ送るよう頼みこむ。仕方なく信を連れて行くひまわりだったが、信はひまわりをあっちこっちと連れまわし、あげくには万引きまでする始末。家には帰らず、ひまわりの部屋へとやってきた信。しかしそこで突然意識を失って倒れてしまう―。

原因は栄養失調。体には虐待の痕もあり、学校にも行っていないことを知ってしまったひまわりは信のことが心配になる。所詮、自分を捨てた男の子供で、自分には関係のないことだと分かりつつ…どうしても放っておけずにお節介をしてしまうひまわり。

ひまわりは信の母親の元を訪れるが、その子供への無関心ぶりにあきれる。しかし、結局、信はひまわりが止めるのも聞かず、母親の元へと帰るのであった。

今度はヒトシを連れて母親の元を訪れるが、信はまたどこかに家出をしたらしい。やっと見つけた信は児童相談所に駆け込もうとしていた。

「僕なんかいない方が、みんな喜ぶ」
「悪いけど、あたしは喜ばないからね」とひまわり。

そして結局、ひまわりは信の面倒を見ることになるのだった…。

 

第三幕「いま、イジメられている君へ…」

2007年1月27日放送

ひまわり(天海祐希)は、ラブホテルから出てきたヒトシ(原田泰造)と中学生の貞子(成海璃子)を目撃。ホテルでは何もなかったというヒトシだが、学校でいじめられ、家に帰りたくないと言う貞子を預かってくれとひまわりにお願いする。どうやら貞子は、同級生に金をもってこいと脅かされ、その金欲しさに援助交際をしようとしていたらしい。結局、貞子を預かったものの、追い出せず困るひまわりだったが、ある日帰宅すると彼女の姿は消えていた。

「出て行ったほうがいいんじゃないの、そっちだって」という同居人、信(武井証)の言葉にうなずきながらも、やっぱり心配になるひまわり…。不器用で暗い貞子に自分のイジめられた中学時代を重ねるのだった。仕方なくヒトシの元へ行き、相談するが、ヒトシは貞子がまた援助交際をすると言う。予感は的中し、なんとか二人で援助交際の現場は押さえる。
実は貞子は、両親が貯めた100万円をいじめる子達に渡していたのだった。そんな貞子のために一肌脱ぐ決意をしたひまわり。

貞子を連れ、学校へと勢いよく乗り込むが、結局ひまわりのお節介は空回りに…。さらに傷ついた貞子は遺書を残し、ひまわりの前から再び消える。貞子は学校の屋上から飛び降りようとしていた。ひまわりは、「あたしの方が不幸だから」と説得する。「あたしだって」と反論する貞子といつの間にか不幸自慢合戦となって行くが…結局誤ってひまわりが屋上から落ちてしまうのだった。

命は助かったものの、今度はヒトシが貞子の親へ金を返すため、勝手にひまわりの家の物を売ってしまう。すきま風吹く部屋で、ひまわりと信がご飯を食べていると、貞子が現れる。そして、いきなり土下座しひまわりに言うのだった。

「弟子にして下さい!」

更に追い討ちをかけるようにヒトシの妻、真佐美が現れ「あんたウザいんだよね。ニ度と私たちの前に現れないでくれる?」と宣戦布告。日本一不幸な女の物語はまだ続く…。

 

第四幕「好きな人にうまく告白する方法」

2007年2月3日放送

ひまわり(天海祐希)のパート先の弁当屋に、ヒトシ(原田泰造)の妻、真佐美(酒井若菜)がやってきた。そこでひまわりは道代(池内淳子)の誕生日会に招待される。場違いと思いながらも誕生日会にやってきたひまわりは、その席で真佐美に執拗なイジメを受ける。ひまわりが家にいてもその嫌がらせは続き、無言電話がかかってきたり、頼んでもいない出前の寿司が届く始末。

ヒトシはヒトシで、大きな犬から小さな犬まで「金になるから」とひまわりに押し付けていた。なぜかたくさんの犬と暮らすハメになるひまわり…。信(武井証)と貞子(成海璃子)もアキレ顔だ。ひまわりとヒトシがちょくちょく会っているのを見た真佐美は「イチャイチャしてんじゃねぇよ」と新たな攻撃をしかけていく。

「ヒトシが浮気をしているから相談にのって欲しい」と真佐美からレストランに呼び出されたひまわりだったが、そこに温水刑事(温水洋一)が現れ真佐美は昔、手のつけられないワルだったことをバラす。開き直り豹変した真佐美は整形・豊胸・年齢詐称までしていた過去をひまわりに告白。さらにヒトシのことは金目的の結婚だったというのだ。ショックを受けるひまわりに、真佐美は「今でもヒトシの事が好きなのに隠しているアンタこそ嘘つきだ」と責めるのだった。

ある日、道の真ん中にうずくまる道代を見たひまわりは迫り来るトラックから道代を助ける。道代は自分がアルツハイマーになったとひまわりに告げるが、ヒトシには内緒にするつもりだと言う。
真佐美のウソ、道代の秘密…悩みながら帰ってきたひまわりの前に保健所の人達に追われるヒトシが走ってくる。どうやら保健所から犬を持って来てしまったらしい。なんとか逃げ切ったものの、ひまわりの様子がおかしいと気づくヒトシは、「隠していることを話せ」とうながす。

そしてひまわりは、「やっぱり、あんたが好きなの」と告白、気がつくとラブホテルのベッドの上でヒトシと寝ていたのだった―。
過ちに気づき、我に返ったひまわりは部屋をあとにするが、ホテルの廊下で若い男を連れた母の星江(高畑淳子)と遭遇する。

 

第五幕「家族が危ない!! 最後の救出作戦」

2007年2月10日放送

若い男と母の星江(高畑淳子)がラブホテルにいるのを目撃したひまわり(天海祐希)。弟の勝也(黄川田将也)から星江がホストクラブに入り浸って、借金までしていることを聞き、更に心配になる。ひまわりは、ホストクラブを訪れ、ホストと戯れる星江に説教をするが、逆に迷惑がられてしまう。

そんな折、ヒトシ(原田泰造)がひまわりの元へやって来る。ヒトシの母、道代(池内淳子)の様子が変だという。どうやら道代のアルツハイマーが進行しているらしい。ひまわりのおかげでなんとか、ヒトシと妻の真佐美(酒井若菜)には、病気のことを知られずに済む。しかし、「何か隠してるんでしょ」と真佐美はひまわりを疑って、嫌がらせをし、女のバトルが再燃するのだった。

営業先で偶然、星江の貢いでいたホストに遭遇したひまわりは、星江が借金のために大阪にある実家のたこやき屋を売ってしまったことを知る。ショックを受けるひまわり。星江は何を言っても聞き入れず、勝也は勝也で他人事だ。
「この世でたった三人の家族なのに」

その後、貞子(成海璃子)からの情報で、星江がホストに振られ、ヤケになっていることを知ったひまわりは例のホストクラブに乱入。ホストに文句を言おうとするが…星江に阻止される。ホストにすがりつく星江だったが、「金がなきゃ何の価値もねえんだよ」と蹴飛ばされ、逆上。懐から出した包丁でホストを刺してしまう。…が、刺されたのは止めに入ったひまわりだった。

ひまわりが病院で目覚めると、横に輸血の管で繋がれた星江がいた。勝也もやってきて、病院代を払ってくれたという。二人を前に「家族が一緒ってええな」と呟くひまわり。そして家族の大事さを痛感し、ヒトシの家族を壊すことはできないと決心。ヒトシに「もう会わない」と告げ、更には「あんたのお母さんは病気なの」と告白。「お母さんを助けてあげて!」愕然とするヒトシを置いて涙涙で逃げるように去るひまわりだった。

 

第六幕「初の生熱唱が奇跡を起こした!!」

2007年2月17日放送

ヒトシ(原田泰造)と会わないと決心し、歌一筋に生きようと決めたひまわり(天海祐希)。しかし、信(武井証)と貞子(成海璃子)達にはひまわりが無理しているのがバレバレ…。そんな中、萩本(段田安則)が訪ねてくる。どうやら、自慢の妻に突然、離婚を切り出され、熟年離婚の危機に瀕しているらしい。まわりは、萩本に強要され、妻に話を聞きにいくが、一向にらちが開かない。

久しぶりに、ヒトシが、ひまわりの前に現れた。妻の真佐美(酒井若菜)がアルツハイマーの道代(池内淳子)を施設に入れようとしているらしい。しかし、すがりつくヒトシを、ひまわりはつきはなすのだった。

ある時、街頭でひまわりがCDを売っているとTV局のプロデューサーに声をかけられる。オーディションの誘いだった。喜んで引き受けるひまわりだったが、その当日、萩本から電話が入る。妻や事務所のスタッフ、タレントまでもが自分の元を去り、「死ぬ」と言い出す萩本。迷った末、駆けつけるひまわりだったが、萩本は睡眠薬を一錠だけ飲んでスヤスヤ寝ているのだった。慌ててオーディションに戻ると、今度はヒトシから道代がいなくなったと電話。駆けつけるひまわりだったが、道代はトイレに入っていただけだった。帰り際、ひまわりは道代が「女のわかれ道」を聞いているのに気がつく。

オーディション予選には出場できなかったが、プロデューサーの計らいで出られることになった。しかし本番直前にまたまた萩本とヒトシから電話。今度は2人とも様子がおかしく、ひまわりを「頑張れ」と励ます。やっぱり2人が気になったひまわりは、本番を放り出し、いなくなった道代を見つけ出す。しかし道代はもうヒトシのことさえ判らなくなっていた。そんな道代の前で、ひまわりは思いついたように「女のわかれ道」を歌う。すると道代の記憶は元に戻るのだった…

外に出たひまわりの上に突然飛び降り自殺をはかった萩本が落ちてくる。萩本は「ひまわりが助けてくれた」と感謝する。一方で道代の記憶をよみがえらせたと、ひまわりに感謝するヒトシ。そして突然、真佐美と別れるから一緒に暮らそうと言いだす。幸せなはずのひまわりだが、なぜか悪い予感ばかりがするのだった。

 

第七幕「サヨナラあなた東京を捨てます」

2007年2月24日放送

ヒトシ(原田泰造)に「真佐美(酒井若菜)と別れるから」と言われたひまわり(天海祐希)は、ヒトシからの連絡を首を長くして待っていた。そんな中、ひまわりの家に萩本(段田安則)がやって来る。萩本はひまわりのマネジャーとして、一からやり直したいという。そして二人の地道な「女のわかれ道」宣伝活動が始まる。

やっとヒトシがひまわりの前に現れた。どうやら真佐美に離婚届を破られ、「お腹の子はどうするの?」と泣きつかれたらしい。更に真佐美は、ヒトシの兄達と組んで、呉服屋を売り、母の道代(池内淳子)を施設に入れようとしているという。ヒトシの家に駆けつけたひまわりだったが、想像以上にアルツハイマーの病気が悪化している道代の姿を見てショックを受ける。家に帰ってもそのショックをひきずっているひまわりの前に、道代を連れたヒトシが突然転がり込む。

「明日施設に入れる」という兄達から道代を守るために連れてきてしまったのだ。そこへ、後を追ってきた真佐美とヒトシの兄達もやって来た。「家で看病したい」というヒトシに、「おまえは口を出すな」という兄。思わずキレて、真佐美達を突き飛ばしてしまうひまわりだったが、事態は悪化するだけ。道代を連れて帰ろうとする真佐美に「何で奇跡を信じちゃいけないんだよ」とヒトシも訴えるが、相手にされない。

そんな中、黙っていた道代が口を開く。実はみんながもめている間、記憶のないふりをして話を聞いていたという。自分は施設に入り、店はヒトシと真佐美に継いでもらうと断言し、何も言えなくなってしまう一同。後日、やはり呉服屋を売ろうとしている真佐美に遭遇したひまわりは、土下座してヒトシと別れるようにお願いする。

「ヒトシと別れろと言うならこの子を殺す」と脅す真佐美だったが…階段から落ち、地面に激突するのをひまわりに助けられるのだった。ひまわりのお陰でお腹の子供は一命をとりとめた。今度は真佐美がひまわりに土下座し、「あたしから家族を取らないで」と懇願する。店も売らず、道代も信も自分で面倒を見ると言う。今まで人前で本心を出すのが怖かったと、何度も頭を下げる真佐美に何も言えなくなるひまわり。そして、ひまわりは歌一筋に生きると改めて決心。引き止めるヒトシの手を振り払い、萩本と一緒に巡業先の地方へと長い旅に出るのだった。

 

第八幕「アンタ殺して、ワタシも死ぬ!」

2007年3月3日放送

ひまわり(天海祐希)は、マネジャーの萩本(段田安則)と一緒に温泉旅館で営業するため地方へやって来た。しかし肝心なところで風邪を引いてしまい、舞台で倒れてしまう始末。

そんな中、東京にいるヒトシ(原田泰造)の妻・真佐美(酒井若菜)から電話が入る。アルツハイマーを苦にした母の道代(池内淳子)がヒトシに「死なせてくれ」とお願いしているという。ひょっとしたらヒトシが、その手助けをしてしまうのでは…と心配する真佐美。最初は突き放すひまわりだったが、次第に心配になり、悩んだあげく東京へ戻る。

道代はヒトシの事を、結婚する前に好きだった人と勘違いし、「一緒に逃げましょう」と暴れていた。その様子を見たひまわりは、道代にそのかつての恋人を会わせるしかないと、温水(温水洋一)の力を借りて消息をたどるが、その恋人はすでに亡くなっていることがわかる。

そうこうしているうちに、道代がまたいなくなった。ひまわりは、以前、道代が結婚前に恋人とよく待ち合わせをしていたという川原を思い出し、その場所へと駆けつける。道代はそこで人を待っていた。ひまわりは、この川原は道代が駆け落ちの約束をしたものの、呉服屋を捨てきれずに行くことができなかった思い出の場所なのでは?と気がつく。そして、ヒトシにその恋人のフリをさせ再会させることに。

ヒトシを恋人と勘違いし、当時の自分の気持ちで「店を守る自信も、子供も育てられるかどうかもわからない」と言う道代。そんな道代にヒトシは戸惑いながらも「あなたは必ず幸せになる」と告げる。

「店も繁盛させるし、ご主人も幸せにして最高の母親になる…あなたが選んだ女の道は、間違っていません」

道代を安心させ、一段落したひまわりは、温泉旅館へ戻ろうとする。しかしヒトシの残した「お母ちゃんを殺して、自分も死ぬ」という手紙に気づき、慌てて病院へ駆けつける。

ヒトシは道代の点滴に毒薬を入れようとしていた。寸前で止め、ヒトシを責めるひまわり。しかしいつの間にか目を覚ました道代は「私はずっと幸せだった。ありがとう、ヒトシ」という言葉を残し、自ら毒薬を飲み干してしまう。

パニックになったヒトシは病院で暴れ出し、誤って人を傷つける。逃げるヒトシを追うひまわり。その後を温水達が追ってくる。こうして二人の行くあてのない逃避行が始まったのだった…

 

第九幕「死ぬか生きるか?女のわかれ道」

2007年3月10日放送

逃亡生活を余儀なくされたひまわり(天海祐希)とヒトシ(原田泰造)。いったんひまわりの家へと落ち着くが、信(武井証)も、自分を連れ戻そうとする母親に追われている身だった。ひまわりの説得にも関わらず、母親に会おうとはしない信。ヒトシはヒトシですっかり元気がない。

やがてひまわりの家にも警察が迫ってくる。ひまわりは、ヒトシと信を連れて、弟の勝也(黄川田将也)の元に転がり込む。しかし勝也の部屋は一変し、差し押さえの紙が部屋中に貼られていた。株で失敗し、借金を抱え込んでしまったのだった。
「俺は一生負け組なんだよ」と死のうとする勝也。ひまわりは「お金なんかより、自分の好きな人が沢山周りにいるほうが幸せ」と説得するが、勝也は逆におせっかいなひまわりの性格を非難する。

そんな二人を見ていた母・星江(高畑淳子)は勝也にひまわりが昔、弟をいかに大事に思っていたかを話すのだった。星江の明るい励ましによって、勝也ばかりでなく、ヒトシも元気を取り戻す。翌日、勝也はひまわりに父の居場所を教える。星江が、陰で調べてくれていたらしい。

勝也の部屋をあとにした3人は信の母の元へ向かう。「一緒に暮らそう」という母の言葉を拒否する信。しかし内縁の夫が母に暴力を振るう様子を見て、「ママを殴るな」と立ちはだかる。結局、内縁の夫は家を出て行き、信は母親と一緒に暮らすことに…。今度はヒトシを連れ、警察に自首しに行くひまわり。しかしヒトシはいざ警察を目の前にすると、逃げ出してしまう。

そこに、道代の遺体を引き取りにきた喪服姿の真佐美(酒井若菜)が現れる。ひまわりとヒトシの前で「店を守ってゆく」と宣言する真佐美。その逞しい姿にやっとヒトシも自首する決心を固めるのだった。一人になったひまわりは、勝也からもらったメモを片手に父(西岡徳馬)の元へとやってくる。

念願だった父との再会…。しかしその期待とは裏腹に父は、「もう昔のことは思い出したくないんだ」と、ひまわりを冷たく突き放す。ショックを受けたひまわりは一人寂しく「女のわかれ道」を歌うのだった…が、突然声が出なくなってしまう。

「…お父ちゃんの言う通り、あたしなんかいない方が」

生きる気力を失くしたひまわりの姿が段々と小さくなっていく…。

 

第十幕「天まで響く歌声が起こした奇跡」

2007年3月17日放送

ひまわり(天海祐希)の代わりに、地方巡業を務める貞子(成海璃子)が、ひまわりの元を訪れる。しかし、部屋は解約済みで、ガランとしていた。携帯もつながらず、貞子は不安を覚える。その頃、ひまわりは、雪景色の中で列車に揺られていた。
「あたしなんかいても、みんなの迷惑になるだけだし…もう歌うことも出来ないのよ」
フラフラと雪山を彷徨い、丘の上から飛び降りるため、足を踏み出してゆく…。

貞子は、ひまわりの行方を探るべく、彼女をとりまく人達の元を訪れてゆく。そこで貞子は、ひまわりがいかにみんなに頼られ、また彼等の事を幸せにしていたかを知るのだった。そんな貞子の前に、いじめグループが立ちはだかる。貞子は、以前ひまわりが自分を励ましてくれた事を思い出し、勇敢に立ち向かい、彼女達を怖気づかせる。小学校に通いだした信(武井証)の元を訪れる貞子。信もまた、かつてひまわりに助けられたことで、励まされたようだった。

そんな矢先、ヒトシ(原田泰造)が釈放された。ひまわりの行くあてをヒトシにたずねる貞子だったが、ヒトシの返事は相変わらずノー天気。ショックを受ける貞子を励ます信。そこへ移動式のたこ焼き屋を商う星江(高畑淳子)と勝也(黄川田将也)が現れる。二人はひまわりへの伝言を貞子に託す。

「困ったらいつでも帰っといでって。この世でたった3人の家族なんやから」

その頃―。真っ白な雪の中に、立ち上がる気力も失くしたひまわりがいた。「本当に死ぬんだあたし…」すると幻想の中に突然ヒトシが現れ、ひまわりを叱咤する。「みんなお前のお陰で頑張れるようになったんだから」幻想から覚めたひまわりは、ふと気づく。

「まだ幸せにしてない奴が一人だけいる…それはあたしよ」

そして重い足を必死で前へと踏み出すひまわり。歌を歌いながら…。音を失くしたひまわりの声が再びよみがえってゆく…。

病院で目を覚ましたひまわりは、そこで、大勢の人達が笑顔で自分を迎える姿を見て感動する。彼らの前で、「女のわかれ道」を歌うひまわり。心をこめ、みんなの幸せを願いながら…。

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