2012年1月3日放送

江戸の伝統文化を、今に伝える人がいます。
工房「風切(かぜきり)」のご主人 上野優(うえの まさる)さん。
江戸文化の「粋」を感じさせる江戸和凧。

「凧を上げると空を見るでしょう。そうすると、希望が湧いてくるんですよ」

以前は、信用金庫の職員だった上野さん。江戸の文化に興味はあったものの、
和凧作りとは全く縁がありませんでした。しかし、心強い先生がたとの出会いが…。

「手描き友禅の先生に、筆の運び方
竹屋さんからは、竹の選び方、また、割り方をいろいろ教わりました。」

仕事の傍ら20年もの間、趣味で凧を作り続けた上野さん。
50歳になった時、一大決心をします。凧作りに専念するために、信用金庫を辞め、
和凧職人になったのです。
そんな上野さんが大切にしてきた言葉、それは…

「『人生、意気に感ず』です。」

「人生 意気に感ず」

(魏徴「述懐詩」)

人間は欲や名誉ではなく、自分を理解してくれる者へ、恩を感じ努力すべき

『人生、意気に感ず』人間らしく生きるべき方向を示した、古い中国の詩の一節。

「いろんな方々の想いに応えられるような凧をこれからも作って行きたい。」

今年は辰年。龍が天に昇るように、一年の飛躍を願い今日も凧を作り続けます。