2012年4月10日放送

彼女は医者。仕事場は自然の中。樹木医・岡山瑞穂(おかやまみずほ)さん。
診察は木槌で始まります。いわば問診です。

「叩く事で、木の密度の違いによって腐ってるかどうかが分かります」

その治療法は様々。街路樹の場合は土壌を改良し殺菌剤を塗ります。
一番気を使うのは人の命に関わる、倒木を防ぐ事だそうです。

「根本の腐れがコレ(鋼棒)を刺す事によって分かります。
腐ってると、中の方に入ってしまうんです。
倒れている木はだいたい根が腐ってるんです」

木がつぶやく、声なき声に耳を傾ける…。
そんな彼女が大切にしている言葉。それは…

「『臥薪嘗胆』という言葉を聞いて
心を打たれました」

「臥薪嘗胆」

(出典:「十八史路」など)

目的を遂げるため、あえて自らに試練を課すということわざ。

「木も色んな事に耐えて粘り強くがんばっているので、私も根気強く
それを見習ってがんばって行きたいと思っています」

人間が自然と共に生きていく。
何気ない景色も、樹木医の努力によって支えられていました。