元気のアプリ
毎週火曜午後9時54分~午後10時00分放送
2012年5月29日放送
作られた当時のピアノの音を蘇らせる人がいます。
ピアノ調律技師 大久保詩朗(おおくぼ しろう)さん。
工房に所狭しと並ぶ、数多くの古いピアノ。
「100年以上前の音は、どんな音なのか?」
直さずにはいられない大久保さん。
これまで1400台ものピアノを蘇らせてきましたが、まだ手がけたことのない
幻のピアノがありました。
それは、上海の博覧会を訪れたとき、出会った。世界最高のピアノ「スタインウェイ」
「こんなのがもし修理できたら感動ものだ」
瀕死の状態で運び込まれたスタインウェイと向き合うこと半年。
寝る間も惜しんで修復したのです。
ここまで大久保さんを奮い立たせた言葉、それは…
「苦悩を通して、歓喜に至れ」
「苦悩を通して、歓喜に至れ」
作曲家ベートーヴェンが、友人への手紙に記した言葉で、
悩み抜いたからこそ納得のいく 曲が完成するということ。
「非常に喜びのある仕事でできることなら
アンティークを続けていきたいです」
静かに眠るピアノたちは再び音色を響かせる時を待ち続けます。