2012年7月3日放送

京都で日本の伝統を守り続ける人がいます。
京和傘職人 西堀耕太郎さん。
150年続く老舗の5代目である彼。元々は地方公務員でした。

「初めて番傘を見たときにきれいだと思った。」

京和傘の世界に飛び込んだものの、その需要はほとんどない状態でした。

「いくら伝統だから守らなければいけないのはいいが伝統工芸って言われる前は
普通の商品ですから需要がないものは消えてゆくのが当たり前。
今の時代にあった形の傘の良さを生かしながらできないのかな…」

そして辿り着いたひとつの形…。それが和紙と傘の骨を活かした風情ある照明。
職人も時代と共に歩むべきという 
西堀さんの思いを表した言葉。それは…

「芸術家にとって 先生はいないといっていい あればそれは伝統である」

「芸術家は、新しいものに挑みつつも、伝統に支えられている」
という詩人中原中也の言葉。

「次の50年100年と続いて受け入れられて発展してゆく新しい伝統…
傘の形ができればいいのではないか。」

先人たちから受け継いだ技は新しい形となって、今に活かされています。