2012年10月2日放送

昔ながらの漁のスタイルを大切に守る人がいます。
帆引き船・船頭 吉崎佐兵衛さん。
白い帆に風を受け、その力で綱を引く、帆引き船の漁。
霞ヶ浦の風物詩でもあるこの風景は、吉崎さんにとって自慢の一つです。
かつては450艘もの船団を組んでいたそうです。

「昔はずっと並んでいたんだよね 川幅いっぱいに、見事なものでしたよね」

一瞬たりとも気が抜けない風との駆け引きから
生まれる美しい光景。

「風が一番大事だね。風の力を借りて漁をしているわけだからね。
自然相手だから、なかなか思うようにいかないところがだいぶありますよ。」

危険と隣り合わせの船上で、常に
吉崎さんが、自らを戒めている言葉… それが…

「小さな漏口(ろうこう)が大きな船を沈める」

どんなに些細なことも、疎かにしてはいけないという意味の言葉。

細心の注意を払い、船を操る吉崎さんが思う事があります。

「後継者をなるべく作るようにしていきたいと思います。」

いつまでも残して欲しい、霞ヶ浦の風景です。