2013年1月1日放送

干支(を象った)人形に 福を招く願いをこめる…
張子の職人 橋本広司(ひろじ)さん。
和紙で作る 福島県の伝統工芸、三春張子は
江戸時代から郷土玩具として作り始められました。
今では、新年の門出を祝う「福」を招く縁起物。

「子ども心というかね、「オギャー」って思っちゃうような、
人形を見たときにお客さんが「ニコッ」と笑ってもらえれば有難いなと思うよね」

持つ人の幸せを願いながら作り続けて50年。それでも…

「江戸時代の人形を見たときに愕然とした。我々にないものが昔の人形には入っている。
ただ、形の人形を作るだけでは駄目だっていうか、、、」

張り子づくりにいそしむ日々、
橋本さんがたどり着いた言葉…それは…

「オレは、苦労を俺の先生だと思っているんだ」

劇作家・山本有三の 小説の一節です。

「人形作りって表向きの綺麗な所だけでは駄目なんだよね。
人間の泥臭さとか、辛いところとか、人形作りの中でそういう心を育てるっていうかな
そういう事をしていかなければならないかなと思っていたんだよ」

張子には、福を招く願いが込められています。