2013年4月2日放送

求められるのは、毅然として信念を貫く勇気…。
レスリングA級審判員、桑田信明さん。

「選手出身ではないので、独特の動きをなかなか最初は読めなかったですね。」

もともとレスリングは未経験。
レフリーを志したのは、一人息子がレスリングを始めたのがきっかけでした。
必死の思いで取得したA級審判の資格…。

「その技の評価というのが、レスリングの場合はレフリーが決めるところになります。一瞬の見極めで決まっていくので、その目を肥えていかないと、なかなか難しいのではないかと考えていますね。」

審判は絶対。
しかし、選手が怪我をしないためのジャッジもあります…。

「インターハイの東京都予選があったのですが、流しておけばその選手が勝ったかもしれないです。ところが、笛を吹いたことによって、今までリードしていた選手が負けてしまった、ということがありました。
もう、どうしたら良いのかわからないくらい舞い上がって…。」

落ち込む桑田さんの心に染みた言葉。それは…。

『尺蠖(しゃっかく)の屈めるは伸びんがためなり』

尺取虫が縮んだあとで伸びるように、辛いことを乗り越えようという、中国古典の言葉です。

「負けた時の涙もあります。でも、勝った時…、あの笑顔を見ていると、常にこの笑顔でいて欲しいな。そのためには、常に正しいジャッジを心がけたいと。」

一瞬、一瞬のジャッジが、選手の末来を拓きます。