2013年4月16日放送

独特の話術で、見る人の心を動かす…
活弁士、麻生子八咫(あそう こやた)さん。

「活弁」…。
それは無声映画に台詞や解説を乗せる日本独特の話芸。

「活弁の一番の魅力はライブだと思っていて、そのお客さんの反応を見ながらセリフを変えたりアドリブを言ったり…。私と映画とお客さんの三位一体でひとつの芸能を作るっていうのが活弁かなと思います。」

内気だった幼少期…。
今は師匠である父の姿を見て、活弁士になることを決意しました。
しかし…。

「師匠は大反対でしたね…。『子供の遊びじゃないんだ!』みたいな。でも毎日、『活弁士になりたい!』『活弁士になりたい!』『活弁士になりたい!』。
もう食事中でも何でも『活弁士になりたいんだ!』。お風呂でも戸を開けて『活弁士になりたいんだ~』っていうような…。
自己主張することはそれまでなかったけど、譲れなかったですね。」

活弁は人生…。
そう語る子八咫さんが大切にしている言葉。それは…。

『縁にしたがって すべからく自らあわれむべし』

あるがままに自分を大切に生きることが大事と説いた、
江戸末期の歌人、良寛の歌。

「人生で最も楽しい、熱中してやまない、愛してやまない活弁を、
より多くの人と一緒に楽しんでゆきたい。」

子八咫さんの活弁物語が始まります。