2014年1月14日放送

かつての少女たちの憧れがよみがえる…
ぬりえ美術館の館長 金子マサさん。

「“ぬり絵”っていうのも日本の文化のひとつかも知れないって気がついて、
(美術館を)つくったんですね」

ここは日本で唯一の ぬり絵専門ミュージアム。
昭和20年頃から流行したぬり絵・200点あまりを展示しています。
その殆どは、蔦谷喜一(つたや きいち)の作品。
戦後の物がない時代に
毎月100万部以上が発行されました。

「(蔦谷)喜一が私の叔父さんになるんですけれども、小さい時は知らずに
毎日塗っていました。本当に夢の世界っていう感じでしたね」

美術館には、かつてぬり絵に親しんだ人々が集まり、昔を懐かしみながら
ちょっと形を変えた新しい「ぬり絵」を、贅沢に楽しんでいます。

「物がない時代に、(ぬり絵を)与えてくれたっていうのは素晴らしかったと思います」

そんな金子館長が心に思う言葉、それは…

『一生を終えて のち残るのはわれわれが集めたものではなく
われわれが与えたものである』

フランス人、ジェラール・シャンドリの言葉です。

「少しずつ進化していかないと、未来に残っていかないと思うので」

少女の頃の夢が、この一枚によみがえります。