2014年1月21日放送

灼熱の塊に吹き込む、力強い息吹…
吹きガラスの職人 宮本健(みやもと たける)さん。

「一度見学にきて、第一印象が面白そうだった。
そう簡単に出来るものではないだろうな、とは思っていました」

宮本さんが働くのは理化学系のガラスメーカー。
ただひたすらに19年、
吹きガラスの技法でフラスコやビ―カ―を作ってきました。

「ほとんど勘なんですけれど、経験で分かってきました」

今、理化学系のガラス製品は若い人たちに注目されています。
その使い方はユニーク。

「自分の吹いたものが、使って頂けているだけでありがたい」

しかし実験で使われるガラス製品に大切なのは、形や大きさなど、緻密な正確さ。

「失敗を重ねていくと、なんで出来ないんだろうって悩む」

そんな宮本さんを勇気づける言葉、それは…

『平常心をもって一切の事をなす人 これを名人というなり』

江戸時代の剣術家、柳生宗矩(やぎゅう むねのり)の言葉です。

「少しでもいいから、前に進みたい。焦らない、平常心ですね」

職人の誇りを吹き込みます。