2014年5月27日放送

カリブの島で生まれた民族楽器…

スティールパンをつくる職人・園部良(そのべ りょう)さん

「初めて聴いたのは19歳の時ですね。スティールパンのオーケストラの演奏だったから、音の束というか、うねりを感じました。」

この美しい音色を日本に届けたいとたくさんのスティールパンを輸入した園部さん。
しかし、届いたものはどれも音程がバラバラで演奏にならないものばかり…

「最悪ですよ。いよいよもう駄目だっていう時に、直せる人物を呼ぼうって話になるわけです。」

知り合いのつてで、修理にやってきた職人との出会いが、
人生の転機になりました。

「デンゼルが帰る時に『スティールパン、造り方を教えてやるから勉強しろよ』と
いう風に言ってくれたんですね。感謝してます。」

技術を伝えた職人の心意気に応え、
今も鉄を叩き続ける園部さんの心に宿る言葉、それは…

『急がば回れ』

「武士(もののふ)の やばせの船は早くとも いそがば廻れ 瀬田の長橋(ながはし)」という、室町時代の連歌師・宗長の歌の一節です。

「あせってもしょうがない。これは真実の言葉だと思います。」

熱い想いが今日も鉄に打たれます。