2014年6月24日放送

懐かしい微笑みが、見る人たちを魅了する…
セルロイドの人形職人、平井英一さん。

「セルロイドの温かみのある、プラスチックとは違う温もりのあるような手触りは、なんともいえない。天然の樹脂の手触りだと思うんですよね。」

プラスチックの登場で、昭和三十年代に廃れてしまったセルロイドの世界。
十年ほど前、一度はやめていたセルロイドの人形づくりを再開することにしました。

「親父が、『昔の人形の金型があるよ』ということで、床下にしまってあったやつを出してきたんです。それじゃあこいつで作ってみようか、ということで。」

思いがけず手に入れた金型。しかし一度はやめた人形作り。
それでも蘇らせようと思ったのは…

「本当は若い頃はね、このセルロイドの仕事を辞めたかったわけ。私の父親は
『いや、これは絶対辞めない。続けていくんだ』ってね。もし続けるのを断念していれば、今も仕事が残っていなかったですからね。

父親の強い思いを継いだ 平井さんが共感した言葉、それは…

『わたしは天才ではない。 ただ人より長くひとつのことと付き合ってきただけだ。』

物理学者 アルベルト・アインシュタインの言葉です。

「今の若い人は、先ずセルロイドってもの自体を知らないので、セルロイドの人形の良さを知ってもらえればいいな、と思っていますけどね。」