2014年7月29日放送

わずか1枚の布で舞う、現代の天女
エアリアルパフォーマー、若井田久美子(わかいだ くみこ)さん

「エアリアルというのは、命綱のないたった一枚の布があるだけで、床ではあり得ない、空中だからこそ出来る美しい世界だと思っています。」

ヨーロッパのサーカスが発祥といわれる「エアリアルダンス」
その第1人者である若井田さんですが、元々は体操の選手でした。

「オリンピックの体操選手に憧れて、そのオリンピックの最終選考会でケガをして、
断念せざるを得ない状況になって。」

初めての挫折・・・。その後、海外で見たエアリアルの芸術性に衝撃を受け、
本場フランスで修行し帰国。しかし・・・

「(日本では)練習する場所がなかったです。木の枝に(布を)ぶら下げて、夜な夜な練習したり、ここぶら下げられる、ここはどうかなって、いつも高いところばかり見て練習していました。」

そんな若井田さんが後輩たちに伝えたい言葉、それは・・・

『あらゆる芸術の士は 人の世をのどかにし 人の心を豊かにするがゆえに尊い』

明治時代の文学者 夏目漱石の小説の一節です。

「パフォーマンスを観て頂いてる、その時間がお客さまも私も幸せになっていける時間。その時間をたくさん作っていきたいなと思っています。」

宙を舞う、その技が見る人の心も踊らせます。