2015年4月21日放送

江戸時代、尾張・有松で始まり
人々を魅了した 伝統の絞り染め「有松絞り」
その技を今に受け継ぐ…
伝統工芸士、松橋とよ子さん。

「ここまで絞って(いる布を)巻き上げして染めるんです。」

布をきつく縛り上げてゆく「巻き上げ絞り」が、松橋さんの技法。

「20歳位かしらね。問屋さんの家に行って働いて、これと同じ事を毎日やってます。今もう92歳ですもん。」

布を染める時、きつく絞られた部分は染料が染み込まず、
きれいな模様が浮かびます。

「飽きないです、これは。こうやって(糸が)登って行くのが面白かったの。面白いでしょ。」

絞り染めは、職人の絞り方の違いで模様は様々。
幾人もの絞りを組み合わせることで、絵のような柄が生まれます。

「一人一芸ですもん、絞りの場合は。一人でやるんじゃないから、みんなで少しずつやって染めて、それ(出来た有松絞り)を見た時は素敵!(見たら)やめられないのね。」

70年続けた松橋さんが思う言葉…

『涓滴(けんてき)岩を穿(うが)つ』

水滴も時間をかければ、岩に穴をあける。
重ねる努力が大事を成す、という意味のことわざです。

「楽しみにやってます私は。巻き上げが楽しいです。」