元気のアプリ
毎週火曜午後9時54分~午後10時00分放送
2015年12月15日放送
時間をガラスに残します。
湿板写真家 和田高広さん
「湿板(しっぱん)」とは、明治時代に伝わった写真の技術
(和田さんが現代に蘇らせました)
「デジタルは誰が撮ってもキレイに写ってしまう。
それにちょっと違和感を感じていて、明治時代の昔の写真館を復元しようと始めた」
被写体を焼きつけるのは「ガラス板」。
感光する薬品を塗り、乾くまでに撮影。
数々の手間と時間がかかります。
「首を押さえさせてもらって、今は平均6秒前後。
その6秒の間のドラマ。その6秒じゃなきゃ出来ない表情が出てくる」
撮影後、像が浮かび上がるまでに、また1分間。
「予測不可能な世界に1枚の一点もの。僕自身もワクワクするし、
撮られる方も、このムラは二度と出ないんだよねと喜んでくれる」
写真を心から愛する和田さんが大切にしている言葉…(それは)
「覆水盆に返らず」
失敗したものは取り返しがつかないという、中国のことわざです。
「(写真は)失敗したら失敗したまま残ってしまう。
やれることで最高のものをあげろということ。
ずっとその写真が残ってしまうぞというのが僕の中ではあります」
戻らないからこそ残す、愛おしい時。