2016年3月1日放送

湯煙立ち登る大分県別府市。

明礬温泉に立ち並ぶわら葺き屋根の小屋。

湯の花作りの職人、右田元紀さん。

小屋の中では、300年変わらぬ方法で天然の湯の花が作られています。

「目には見えないけど、この温泉の下からの蒸気で1日1mmの湯の花が出来ます。水滴に弱いんですよね。それで溶けますからね。藁ぶきの湯の花小屋だったら中の蒸気を外に逃がしてくれる、上からは雨漏りがしない」

常に温泉の蒸気を受け続ける茅葺き屋根。これがなければ湯の花は生まれません。

「やっぱり、(温泉の蒸気は)湿気ですから、手で触ってパラパラって落ちるような感じになった時は、2・3年に一回葺き替えします。」

見た目よりもはるかに重労働。湯の花小屋で働く職人は、わずかに3人です。

「夏場の小屋の中は40~50℃になります。暑くなって気分が悪くなったら出て、また入って(を繰り返します)。」

そんな右田さんが思う言葉…

「千古不磨(せんこふま)」

「優れた伝統は永遠に伝わりなくなることはない」ということわざです。

「世界でここだけしかない湯の花小屋の作り方なんかを教えていって、でまたその人が、他の人に教えていく、それの繰り返しですね。昔のまんまを続けていきたいと思っています。」