2016年5月31日放送

江戸から続く初夏の風物詩・花菖蒲。

堀切菖蒲園職員、松井辰己さん。

およそ200種6000株の花菖蒲を育てる堀切菖蒲園。
その見ごろは、6月上旬のわずか10日ほどです。

「1年を通じて7か月間、大体除草なんですよ。他の雑草がなければ花菖蒲に養分が行ってくれるかなって言うことで、7月から8月、9月、この3か月間、畑の中なんで逃げ場がないんですよ。炎天下の中で、ホント気が遠くなるような。大体3キロから4キロしぼれるんですよ。」

歌川広重の浮世絵にも描かれ、江戸の昔から「菖蒲なら堀切」と言われてきました。

「プレッシャーはありますよ。咲いてもらわないと。この1年間が水の泡になってしまうので。」

今年も無事に1番花が咲き、これから見ごろを迎えます。

「来園者の皆様に『花菖蒲きれいだったよ』とか『素晴らしかったよ』、そういうお褒めの言葉を頂けると本当にやっていて良かったと思います。本当に…。」
重ねた努力で、花菖蒲を咲かせた松井さんがおもう言葉。それは…

『品質とは 誰も見ていない時にきちんとやることである。』

自動車王、ヘンリー・フォードの言葉です。

「炎天下の中、除草していてこの仕事、自分好きなのかな…って、考えたりやっぱりしちゃうんですよ。堀切から堀切菖蒲園が無くなっちゃうとホント寂しいので、誇りを持ってやっています。」