2016年6月7日放送

涼をもたらす、江戸の技

江戸すだれ職人 田中耕太朗(たなかこうたろう)さん

夏に向けすだれ作りは、今が最盛期。
田中さんの作るすだれは、ほとんどがオーダーメードです。

「いろんな文化が混ざり合った中でこんなものはできないの?あんなものはできないの?というのに応えるのに、色んなところから材料を持ってきて、その需要に応える仕事だったと思うんですよね。」

ゴギョウやヨシ、竹などを編みあげるすだれ。
大事なのは、素材を選ぶ目と 材料として仕上げる技。
例えばヨシは…節をまっすぐ整えながら編んでいきます。

「かけっぱなしで10年くらいが目安かもしれません。その時にはしっかりした材料を使っていれば、ダメなところは新しいものを少し足して、もう一度編み直して使うことができますから」

どんなオーダーにも応えようと工夫する田中さん。
人目や日差しを遮りたいという要望には…。

「編み方も少し工夫して、普通は一つずつ編んでいくところを、一つおきに目を詰めて編んでいくとか。」

互い違いに結ぶことで、隙間を作り風を通す。細やかな技を重ねます。

そんな田中さんが大切にする言葉は…。

『小を積みて大を致すは自然の道なり』

小さな積み重ねを大事にした二宮尊徳の言葉です。

「基本的にどこか一か所ないと、仕上がりにその分だけ一か所が無いわけですから。どこも手が抜けませんし。ちゃんとしたモノ作りを続けて行こうと思いますけど」