2016年8月9日放送

大分の元気を伝える 下駄の音…。

日田下駄作りの職人、伊藤高広(いとう たかひろ)さん。

大分県日田(ひた)市で江戸時代から作られる日田下駄。
木目の美しさと軽さを生み出すのは 銘木「日田杉」です。

「特に下駄の材料となるのは、根っこの方を使うので、年輪が大きい分だけ軽いですし、履いた感じも柔らかい感じがする」

切った木材は円を描くように「輪積み」し、
およそ6か月乾燥させます。

「木と木の間に風が通って、湿気がこもらずに木を乾燥させることができるんですよ。大きい輪にして高く積めば積むほど、一足一足の下駄の重さによってがっちり組める。だから少々ゆらしても崩れないですね。」

仕上げは表面を火で焼き上げます。

「神代焼き仕上げっていう仕上げなんですけど、ほかの部分が削れて年輪だけ固く残って、木と足の間に凸凹した隙間ができるんです。湿気が多い時とか、すごくベタつかないっていう仕上げです。」

そんな伊藤さんが祖父から受け継ぐ、大切な言葉、
それは…

「脱いでほっとするモノではなく、履いてほっとするモノを作れ。」

「無くてもいいものなんですよ実際。でも履いてもらってほっとしてもらうもの、もう1回履きたいっていうものを作っていけばなくならないと思う。」