2017年1月17日放送

京料理を掬う名脇役…京金網
京金網の職人、辻 徹さん。

京都の工房で生まれるこの金網。太くて硬い針金を一つ一つ
手で編んで作ります。
「いかに1日しっかりしたクオリティのものを数を作るのが僕らの仕事なんで、
ゴルフ手袋の中にステンレスのプレートを入れると、指がこれ以上反らなくなるので、
ステンレスを入れてないと1枚編んだらもう指が痛くて2枚目は編めない。」

編まれた模様は芸術的。中でも人気なのが豆腐すくいです。
「豆腐って見た目的に華がないんで掬うとき影で華を添えるとたかが豆腐掬い、
されど豆腐掬いじゃないけど、主役を引き立てるのは脇役なんかなと思うんですよ。
脇役の品格っていうコンセプトなんで。」

鍋に華を咲かせる豆腐掬いは、職人技の粋を集めた逸品。
「菊だしっていう菊の模様に編み始めるんですけど、1か所でも間違えるとそこから直すんじゃなくて、最初からやり直してしまわないと(だめなんで)、結構集中してやらないと。」

そんな京の手仕事を受け継ぐ辻さんがおもう言葉。それは…

「Love the life you live,
Live the life you love.」
(自分の生きる人生を愛せ、自分の愛する人生を生きろ)

レゲエ歌手、ボブ・マーリーの言葉です。

「今、自分の家で使いたいなと思う道具を、ランプシェードとか作りたい。
そのためには伝統の技術じゃないと作れないから伝統の技術を使って物つくりをする。
チャレンジすることが未来の伝統になっていくんだと思うんです。」