2017年6月27日放送

銅のおろし金職人 勅使川原(てしがはら) 隆さん(77歳)
大根などを柔らかに、口当たりよくおろせる銅製のおろし金。
互い違いに300以上もの目が立ち並びます。
「面白いです、もの作りは。一枚の板から品物になっていくのは楽しいです」
勅使川原さんは60年間、この銅製のおろし金を作り続けてきました。

「これは錫(すず)です。」
サビに強い錫でコーティングしたら、次は大事な作業。
おろし金の命・鋭い刃を“目立て”で、打ち出していきます。
その高さわずか1、2ミリ。
失敗は許されない目立て…かつて父からの言葉に救われました。
「不器用だからもの作りどうかなと。父に不器用な人間はたくさんやって体で覚えれば、器用なヤツより良い仕事ができるよと言われたのでふっきれましたね」

そんな勅使川原さんが心に留めている言葉、

「少欲知足」(しゅうよくちそく)

多くを求めず、少しのもので満足することを指す言葉。

「どこまでいったら充実かはわかりませんけど職人ですからずっと修行ですから
ただ、下手なヤツには負けないってくらいはありますけどね」