2017年9月12日放送

昔懐かしの駄菓子を作る、鈴木健央(すずきやすお)さん。

ジャムなどのアンズ製品を作る町工場で生まれた「あんずボー」。
元々、駄菓子として作られた訳ではありませんでした。

冬に食べる製品はあったのですけども、夏場に食べる製品がなかったので、
おじいさん(祖父)が夏に冷やして飲まさせようと作り始めたって感じです。

細かくした乾燥あんずを秘伝のシロップと混ぜて、
1日におよそ10万本もの「あんずボー」を生み出します。

出来上がって直ぐだとあんずが乾燥していますのでふやけるまでに時間が掛かる。
1週間以上保存して、甘酸っぱいあんずの味が出てきますので、それで美味しくなる。

一番大変なのは、アンズの種を取り除く作業。
完璧を求め、3回行います。

梅と同じように硬い種のかけらなので、口の中をけがしてしまう。
もう20年近くやっていますけど、初めて見た方は分からないと思います。
落とした時にあんずの柔らかい音と種が入っている音の響き方が違うので、そういうので見分けています。

昔ながらのあんずボーを守り続ける鈴木さんが心におもう言葉。それは…

「世の中の変化に応ずることも大切だが、
 変化の中で不変のものもあるということだ」

実業家・根津嘉一郎(ねづ かいちろう)の言葉です。

1本25円なのですけど、子供たちにとって自分で手に取れる
結構高級なお菓子だと思いますので、無くす訳にはいかないものだと思っています。