2017年11月21日放送

秘境の民宿のご主人、野牧 權(けん)さん
長野県飯田市に天空の里と呼ばれる絶景の集落があります。
四季折々の美しい景色を求め、多くの人々が野牧さんの元を訪れます。
「景色が一番いい、日本一いいとこじゃないかなと思っている。
1回来たきりという、2回目来ないという人はいないね。大体は2回も3回も来る。
今は紅葉が一番いい時で、来る人はみんな『わぁ素晴らしい』って言うね。」
野牧さんの宿で出す料理に使う野菜は、8代にわたり守る畑で収獲しています。
「ここはおじいさん、おばあさんがやってきた畑で
キャベツ、タマネギ、きび、粟、そば、全てのものができるんだね。
珍しいところだね、ここは。
だから、塩と米を買えば、ここでの生活は難なくできる。」
それでも、急斜面での農作業には、苦労も絶えません。
「土を斜面の上にあげなきゃダメなんだよ。下にさがっていっちゃうもんでね。それが一番大変だね。」
天空の里に寄り添う、野牧さんが心におもう言葉。それは…

「孝悌忠信(こうていちゅうしん)」

親や目上の人に良く従い、真心を込め、偽りのないことを表す四字熟語です。

「真心を込めて作った野菜はおいしくできる。ただ、作りゃいい、肥料をやればいい、じゃダメなの。
よその人たちが泊まってきてくれるからには、
やっぱりみんなが喜んで食べられるものを作らなきゃいけないってことだね。」