2018年2月6日放送

真綿布団職人、北川茂次郎さん
滋賀県米原市で作られるのが、最高級とも称され、軽さと保温性に優れた“真綿布団“です。
「長い人で30年くらい使っている。“温かい”ってメールも来るし、本当にうれしい。」
作り方は、絹で出来た小さな真綿を手で引き延ばして重ねる“手引き”という伝統手法。
「真綿をグッと持って両側から引っ張る。
力がいるし、均等に真綿が伸びないといけないし、これは本当に難しい。
1kgの布団でだいたい130枚の真綿を使う。1日に2~3枚の布団を作るのが精一杯。」
原料となるのが蚕の繭。これをぬるま湯の中で、1枚1枚薄く引き延ばしたものが真綿です。
「繭1個の糸の長さは約1500m。繊維が長いから布団になるとホコリが立ちにくい。本当に良いこと尽くし。」
かつては400軒ほどあった真綿工場も、今や3軒に…
しかし、その品質を求める人が多く、夫婦で伝統を守っています。
「いわば二人三脚。80歳になっても夫婦でできているので、妻に感謝している。」
互いに手を取り合い、布団を作る北川さんが心に想う言葉、それは…

「報恩謝徳」

恩に報い感謝の心を持つことを意味する言葉です。

「心を込めて、自分の生涯をかけて、愛情をかけて生産していくっていう心構えだね。」