2018年3月20日放送

砥石職人、土橋要造(つちはし ようぞう)さん。
包丁の切れ味を生み出す砥石。
多くの料理人が惚れ込む天然砥石を作るのが、京都で創業130年の老舗“砥取屋(ととりや)”です。
「キメが細かくて、どんな刃物にも合います。天然の素晴らしさを知ってもらいたいです。」
自然の石を原料とする天然砥石。
土橋さんこだわりの石は、亀岡市の丸尾山で採掘されます
「丸尾山の石は、2億5000万年前にできたと言われています。粒子が細かく、すぐに刃物が研げます。
研ぎに時間がかからない。正直言って、日本一の砥石だと思っています。」
時には200kg以上の石をたったひとりで運び、砥石へと加工します。
「包丁が引っかかったりしますので、筋が入らないように、その石の一番良いところを引き出してやる。
料理人さんが喜んでくれるかなって、顔が思い浮かんだりしますね。」
しかし、今では天然砥石を作る職人も減りつつあります。
「良いものが取れなくなったり、人造砥石におされて職人が減っていきました。
この伝統文化を伝承したいという気持ちがあります」
常に前向きに砥石と向き合う土橋さんが心に想う言葉、それは…

「今が一番大事な時だ もう一歩」

小説家 武者小路実篤の言葉です。

「砥石で研いだら、よく切れるようになるし、料理が楽しくなる。最高の味が引き出せます。」