2018年9月18日放送

西陣織職人、小玉紫泉さん。
古くから京都に伝わる色彩豊かな絵柄が特徴の伝統織物、西陣織。
小玉さんは“爪掻本綴織(つめかきほんつづれおり) ”と呼ばれる高度な技法を用いる数少ない職人です。
「爪でかき寄せるように柄を折るのが、“爪掻本綴織”なんです。絵画を描くような織物なんですね。
たて糸が見えないように、よこ糸で全部表現します。
一般的な織物はたて糸の色と混ざるので色が薄くなったりするんですけれども、
爪掻本綴織は色がくっきりと出ます。」
爪はたて糸に沿って織りやすいように、毎日ギザギザに削っています。
「つづれ織りというのは、とても密度が高いんです。
20cm織るのに1000回よこ糸を通さなければなりません。
完成まで結局1年近くかかったものもあります。」
小玉さんは、これまでになかった斬新なデザインを取り入れ数々の賞を受賞してきました。
「人の真似をするのが嫌いで、人をびっくりさせるのが好きだったんですよ。
そういうのが全部盛り込まれているような気がします。」
伝統の世界に新風を吹き込んだ小玉さんが心に思う言葉。

「嚢中の錐(のうちゅうのきり)」

優れた人物は、才能が自然と現れることを意味する言葉です。

「西陣織というのは世界で1番の織物だと思っていますので、
良いものをもっともっと作り続けていきたいと思います。」