2018年11月13日放送

医療用製品開発、岩立力(つとむ)さん。
千葉県市川市にある小さな町工場で
世界最小と言われる直径0.03mmの手術針が生まれました。
「この針が出来るまでは1mmの血管までしかつなげられなかったんです。
しかし、0.1mmの血管をつなげたいという要望がきて開発を始めました。」
これまで作っていた針の太さは0.05mm。
わずか0.02mm細くするのが至難の業でした。
「今の針は、糸と針が一体化しているんですよ。そこの結合部分の加工が苦労しました。」
細い手術針は、V字に溝を刻み、糸を乗せ
針を押しつぶして糸を付けるのですが、この溝が作れませんでした。
「割れるし、ぺっちゃんこになっちゃうんですね。
7ミクロン(0.007mm)程度の箔(はく)になってしまうんですよね。
抜けちゃうんですよ糸が。」
2年かけ工具を一から作り、溝の厚さを1000分の1mm単位で調整。
ようやく糸が抜けない最適な溝の形を見つけました。
「やっと、これで今までの苦労が報われたというか、
『やった』って言いましたね、やっぱり。」
手術の可能性を広げた岩立さんが心に思う言葉。

「思う念力 岩をも通す」

強い信念をもてば、必ずできるということわざです。

「あきらめなければ、ああいう小さいものでも達成できるってことですよね。
これからも、まだ世の中にないものを作りたいですよね。」