2018年11月20日放送

貝ボタン製造、伴井比呂志さん。
海のない奈良県川西町で、高級シャツなどに欠かせない「貝ボタン」が作られています。
「明治時代にドイツから伝わったんですけど、
ここ川西町は、船の便が良かったみたいですね。」
使われているのは高瀬貝や黒蝶貝など。くり抜いた貝を削って、厚さを調整します。
実は、この作業で貝ボタンの出来が決まるのです。
「特に黒蝶貝など黒いボタンがいいとされているんですけど、
黒い層というのは少なくて、0.1mm単位ですね。
削りが浅いと白くなってしまい、
削りすぎて皮が出てしまうと不良品になってしまう。」
穴を空けた後、職人が一つ一つボタンの形に彫っていきます。
この後、貝ボタンならではの作業があります。
「化車(がしゃ)と言いまして、色々な薬品をブレンドして研磨してつや出しをします。」
さらに、ロウを付着させたもみで1時間磨き、つやを出します。
「もみの先がとがっているので、ボタンの隙き間まで入って、輝きが全然ちがいます。
貝ボタンって、クジャクみたいに虹色になりますよね。」
シャツをオシャレに飾る貝ボタンを作る、伴井さんが共感する言葉

「怡然自楽(いぜんじらく)」

どんな時でも和やかに喜び楽しむという意味の四字熟語。

「貝がらの時は結構ごつごつして汚いんですけど、削って仕上げていくにつれて
輝きが出てくるので、おもしろいですよね、原石をみがいているみたいで。」