2018年12月18日放送

岳温泉の湯守、武田喜代治さん。
平安時代から知られていたという福島県の岳温泉。
源泉から温泉街まで約8kmをかけ、お湯を引いています。
「湯元ではお湯が荒すぎるんです。硫黄が強すぎて、ここでは入れないです。
この8km、流れる間にやわらかくなって、そのまま入っても大丈夫になっています。」
強い硫黄の成分でパイプについてしまう湯の花を、週に一度落とすのが湯守の仕事です。
「点検口というのが、20m置きについていまして、その日に見て湯花の付き具合が
分かるものですから、内側をきれいにしているんです。」
長いパイプについた湯の花は、上流の点検口から特製のたわしを流して落とします。
その湯の花は、麓の温泉に流れていくのです。
「パイプの中から流した湯花でお風呂が濁っているんです。
それを目的に来る人もいるようで、週に一度の濁り湯と言っている人もいます。」
冬は約4mの積雪。それでも週に1度の掃除をし続ける、武田さんが共感する言葉。

「愚公移山(ぐこういざん)」

どんな難事業でも、努力すれば成し遂げる事ができるという意味。

「温泉がなかったら岳温泉はもたないですからね。
止めないで流しますので、是非とも岳の温泉を体験して欲しいですね。」