2019年5月7日放送

木製ステッキ職人 髙橋英雄さん。
東京・銀座。創業明治15年、老舗のステッキ専門店。
古くからイギリスでは、権威を示す象徴であり、
紳士淑女のおしゃれアイテムだったのが木製ステッキです。
「難しいんですよね、ステッキをおしゃれに使うって。
ただ持っていればいいわけじゃなくて、かっ歩するような形で
ステッキを振りながら突いてもらうと、その方自身もかっこよく見える」
軽くて丈夫なカエデなどを2年以上乾燥させて材料にします。
重要なのはまっすぐであること。
「木は生き物なので、四方に反ったりするので
一箇所直したら今度はちょっと回して違うところを直す。」
仕上げの磨きは、手作業でしかできません。
「機械でやると棒に対して横にペーパーがかかっている状態なので
縦に手で磨いていかないと木本来の木目が見えにくくなっちゃう」
粋な文化を支える髙橋さんが共感する言葉。それは…

「斧を研いで針にする」

困難なことでも忍耐で乗り越えるという意味のことわざです。

「この握りが割れたりすることがある。加工している最中はないんですけど
半年前に作ったものが今になって割れるとか、
やっぱり自然界にあるものだから、一生懸命作るしかないんです。」