2019年7月16日放送

花火職人、太田恒司さん。
勢いよく火花を散らす、噴出花火の元祖といわれる“ドラゴン”
「昭和23、4年頃、曽祖父が、噴出花火ということで作り始めました。
徳川家康公が生まれたときに岡崎城から竜が立ち昇ったという言い伝えがあり、
それにちなんで竜=ドラゴンと言うことで、“ドラゴン”という名前を付けた。」
ここ三河地域は徳川家康が火薬製造を唯一認め、今も花火工場が多い場所。
ドラゴンはおよそ70年前、この工場で生まれました。
「吹き上がり方と火の粉の舞い方にこだわっています。」
雨垂れの様に火の粉が舞う。これが太田さんのこだわり。
種類の違う火薬を何層にも重ねて詰めることで、
異なる色の火花が吹き出し、豊かな表情を見せていきます。
「その日の湿度とか、触った感じで、今日はちょっと強めに入れた方が良いか、
今日はふんわり入れた方が良いか考える。火薬って生き物ですので。」
夏の夜に彩りを生み出し続ける太田さんが心に思う言葉。

「人生は一箱のマッチに似ている。
重大に扱うのは莫迦莫迦(ばかばか)しい。
重大に扱わなければ危険である。」

小説家 芥川龍之介(1892−1927)の言葉です。

「自分が作った商品で遊んでいて『ワッ~!』と言ってくれる。
それがはまったときはやっぱり、やったと思いますね。」