2020年6月16日放送

緋銅作家 飯田馨さん。
宝石の街、東京・御徒町。飯田さんはここで幻の技法“緋銅”を復活させました。
「こちらがですね、緋銅のアクセサリーなのですが、
江戸時代の頃に発明された銅の着色技法で、魅力はなんといっても色ですね」
鮮やかに色付いた緋銅。それは丁寧に磨き上げた銅をバーナーで熱し、
特殊な薬品の中へ。すると・・・ジュッ!と音をたて一瞬で色が変わります。
「銅を加熱するとですね、温度によって色が変化してくんです。
呼吸を止めるくらい集中して見極めをするんですけど、それでも、
失敗することもあるので、難しいところですね。」
江戸時代、京都の職人が考案したという緋銅。
銅の酸化皮膜がもたらす色の魔法。しかしその技はほぼ途絶えていました。
「文献とか、資料がほんとに少なくて、わずかながらの情報を元に
試行錯誤を繰り返しながら、今のような色を出せるようになりました。」
失敗を乗り越え挑戦し続ける飯田さんが大切にする言葉…。

「志を立てるのに老いも若きもない そして志あるところ
老いも若きも道は必ずひらけるのである」

日本の実業家、松下幸之助(1894-1989)の言葉です。

「緋銅を知って、やりたいって思ってくれる人が増えて、
新しい世界が作れたらいいなって思っています。」