2021年5月18日放送

色鉛筆画家 林 亮太さん
どこか哀愁を感じる街角の風景。実はこれ色鉛筆だけで描かれた絵。
日本の色鉛筆画の第1人者、林さんの作品です。
「いわゆる写真の複写的に描くというよりは、肉眼で見た時の空気感とか、
光とか気温とか風とか伝わってくれたらいいなと思っています。
だからあえて実際にその時には無かった雲を描いたりします。」
驚くことに、使うのは色の三原色(シアン・マゼンタ・イエロー)と白・黒の5色だけ。
「色鉛筆は、下の色の影響というのを受けるので、
黄色の上に赤をのせると黄色と赤が混ざり合った色になってきますし、
重ねていって無限に色が作れるっていうことです。」
特に難しいのが、日光できらめく木の葉を描くこと。
「明るい色は、後からのせられないので、あらかじめ黄色を全体に入れるんです。
その上に、青い色とか黒い色とかを塗って、暗い緑の木を1本作ってから
カッターナイフの先端で削っていくと、キラキラした葉っぱに見えてくるんです。」
わずか5色で自然の彩りを見事に表現する林さんが共感する言葉…

「色彩は生活の果実である」

フランスの美術評論家、ギヨーム・アポリネール(1880-1918)の言葉です。

「色鉛筆は入門用という感じに思われているんですけど、だからこそ誰しもがこの道に
入れるので、色鉛筆で『こんな名画が!』みたいのが出てくるといいなと思います。」