放送内容

2015年7月15日 ON AIR

恋人のために生きた高校生

 2011年11月、米ミネソタ州ミネアポリス。16歳のエイミーは友人サミーに誘われ、小児がんの患者のためのチャリティーパーティーに出席した。サミーは、このパーティーで、ギターを弾いていた、ザックという青年をエイミーに紹介。ザックは骨肉腫を患っていた。パーティーの途中、エイミーは盲腸で倒れ病院に運ばれた。すぐに手術を受け大事には至らなかったが、その後エイミーをお見舞いに来た友人たちの中にザックの姿が。自身が深刻な病に侵されていながらエイミーを楽しませようと気遣うザック。その優しさにエイミーは感動し、これをきっかけに2人は仲良くなり...ザックは自分の病のことをエイミーに打ち明けた。


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 ザックが病に侵されたのは14歳の時だった。2009年8月。数週間後に高校進学を控えていたある時、左尻に痛みを感じるようになった。すぐに病院で検査すると、左大腿骨頸部に悪性腫瘍があることが判明。骨肉腫だった。手術や化学療法を続けたザックは、高校2年の時、やっと学校に行けるようになった。夢にまで見た高校生活だったが...1年も経たないうち肺に腫瘍が見つかってしまう。そして医師から、これ以上は抗がん剤が効かないと宣告されてしまう。
 しかし、ザックは生きることをあきらめず、奇跡を信じて前向きに生きていた。エイミーと仲良くなったのはそんな時だった。


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 ポジティブに生きるザックの姿はエイミーの価値観を変え、それはいつしか恋に...。二人はお互いになくてはならない、強い絆で結ばれていく。しかし...再び、彼の足に腫瘍が見つかり、今回は骨盤にまで広がっていることが判明。ついに余命が宣告されてしまう。あと、半年から1年の命。18歳の誕生日を迎えられるかどうかわからないということだった。
 ザックは母、そしてエイミーに支えられ...「後悔することのないよう」ゆっくりと、死の準備を始めた。ザックは生きる目標を作った。「プロム」(卒業式の翌日に行われるパーティー)にエイミーをエスコートすること。「プロム」はザックの誕生日の翌日に予定されていた。その日までは必ず生きる。エイミーのために...
 そんな頃、ザックの部屋を掃除していた母は、しわくちゃの紙をみつける。それは愛する皆への思いをのせた「クラウズ、雲」というタイトルの歌詞だった。するとラジオ局から、ザックの曲を多くの人に伝えたいという連絡が。なんとクラウズはプロのミュージシャンによってレコーディングされることになった。クラウズをYouTubeにアップしたところ、300万回もダウンロードされたのだ。そして2013年5月4日、ザックは18歳の誕生日を迎えた。翌日ついにプロムの日を迎え、見事に エイミーをエスコート。
 目標を達成したザックは、それからわずか、2週間後、2013年5月20日、ザックは家族とエイミーに見送られ、静かにこの世を去った。翌年ミネソタ州のショッピングモールで行われた小児ガンのチャリティーイベントでは約5000人がクラウズを合唱したという。ザックは...今も多くの人の心の中で生きている。

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